目次10章 / 10項目
  1. 台湾の旅展は、ITFだけではありません
  2. 規模は、15万人から36万人まで開きがあります
  3. 秋は、5週間に5本が続きます
  4. 主催者は、大きく4つに分かれます
  5. 旅展は、その場で売る展示会です
  6. 会場と客層は、旅展ごとに違います
  7. 日本からは、どこが出ているか
  8. 申込の時期を間違えると、1年待つことになります
  9. この記事が当てはまらない場合
  10. まとめ

日本の企業や自治体から「台湾の旅行展に出たい」とご相談をいただくとき、ほとんどの場合、イメージされているのは台湾最大級の旅行展であるITFだと思います。

ただ、台湾の旅展はITFだけではありません。台北だけで年に何本も開かれ、台中、台南、高雄にもそれぞれの旅展があります。名前もよく似ていて、日本語で違いを説明したページは見当たりません。

この記事では、これから半年で開かれる9本の会期と会場、主催者の違い、そして日本の自治体や企業が実際にどの旅展に出ているかを整理します。

台湾の旅展は、ITFだけではありません

2026年10月から2027年5月までの8か月間に開かれる旅展です。

会期展示会会場
2026年10月2日〜5日第7回 台北国際秋季旅展世貿一館
2026年10月2日〜5日第29回 高雄市旅行公会 冬季国際旅展高雄展覧館 南館
10月30日〜11月2日ATTA 台中国際旅展(秋季)台中国際会展中心
11月6日〜9日2026 ITF 台湾国際旅展南港展覧館1館
11月20日〜23日大台南国際旅展大台南会展中心
11月27日〜30日高雄国際冬季旅展(KSTF)高雄展覧館
12月25日〜28日台北国際冬季旅展世貿一館
2027年3月12日〜15日台北国際春季旅展世貿一館
2027年5月21日〜24日TTE 台北国際観光博覧会台北世貿

出典:各主催者の公式サイトと、台北世界貿易中心の展覧檔期表(2026年9月24日に確認)。台北国際冬季旅展は、会場の日程表には載っていますが、主催者からの発表はまだ出ていません。

この期間中、台湾ではほぼ毎月どこかで旅展が開かれていると言ってもいいくらいです。

会場については、世貿一館のガイドと南港展覧館のガイドにまとめています。

規模は、15万人から36万人まで開きがあります

日本政府観光局(JNTO)が、主な旅展の来場者数をまとめています。2025年の実績です。

旅展時期来場者数JNTOの出展
ATTA 台中(春)4月28万人なし
KTF 高雄市旅行公会(春)5月27万人あり
TTE 台北国際観光博覧会5月34万人あり
KTF 高雄市旅行公会(冬季)10月15万人なし
ATTA 台中(秋)10月31万人なし
ITF 台湾国際旅展11月36万人なし
TTF 大台南国際旅展11月15万人なし

出典:日本政府観光局(JNTO)「台湾における旅行博出展申込み窓口のご案内」(2026年1月23日)。来場者数は2025年の実績です。台北の秋季・冬季・春季旅展と、11月のKSTFはこの一覧に入っていません。

いちばん大きいのはITFですが、台中と高雄の春、そしてTTEには、ITFの来場者数のおおよそ7割から9割の数が来場されます。「台北のITF以外は小さい」という思い込みは、数字と合いません。

JNTO自身が出展しているのは、5月の高雄KTFとTTEの2つです。ここは日本側の窓口が用意されている旅展でもあります。

ITFについては、主催者の発表がもう少し細かく出ています。2025年は123の国と地域から1,600ブース、来場36万5,302人。日本ゾーンには過去最多の110団体・207ブースが出て、最優秀人気ブース賞を受けています。

秋は、5週間に5本が続きます

10月2日から11月9日までの間に、5本の旅展が開かれます。しかも10月2日は、台北と高雄で同じ日に始まります。

  1. 10月2日〜5日・世貿一館

    台北国際秋季旅展

    台北101のとなり、弊社のオフィスが入っている展示会場です

  2. 10月2日〜5日・高雄

    高雄市旅行公会 冬季国際旅展

    台北の秋季旅展と同じ日程。日本の自治体が多く出ます

  3. 10月30日〜11月2日・台中

    ATTA 台中国際旅展

    中部の客層に直接届きます

  4. 11月6日〜9日・南港

    2026 ITF 台湾国際旅展重要

    台湾最大。前日の11月5日に商談会があります

  5. 11月20日〜23日・台南

    大台南国際旅展

    南部の入り口。高雄の冬季旅展が11月27日から続きます

名前が似ているうえ、開催の時期もどれも近いです。社内で混乱しないよう、会期と会場で特定するのが確実です。

とくに紛らわしいのが高雄です。10月2日からの「冬季国際旅展」は高雄市旅行公会の主催、11月27日からの「高雄国際冬季旅展」は威典展覧の主催で、名前は似ていても別の展示会です。10月なのに「冬季」と名乗っている点にも注意してください。

なお、ITFは2026年から名前が変わりました。「台北國際旅展」から「台湾國際旅展」です。経緯は台湾国際旅行博(ITF)とはにまとめています。

主催者は、大きく4つに分かれます

旅展の名前は、どれも「地名+季節+旅展」という付け方をしています。見分けがつきにくいのはそのためで、中身はそれぞれ主催者の違う別の展示会です。大きく4つに分かれます。

01

財団法人台湾観光協会(TVA)

ITFの主催者です。交通部観光署が指導する、いわば台湾の観光の元締めにあたる団体で、旅展の中ではITFだけが別格の扱いになります。日本の自治体や観光協会が並ぶジャパンパビリオンも、ここに置かれます。

02

揆眾展覧・威典展覧のグループ

秋季旅展、冬季旅展、春季旅展、ATTA台中、大台南、高雄国際冬季旅展(KSTF)。表に並べた9本のうち6本がこのグループです。台北と地方を、季節を変えながら回しています。

03

上聯国際・大通国際などの展示会社

TTE台北国際観光博覧会や、TITE台湾国際旅遊展を手がけています。TTEは台北市旅行商業同業公会との共催です。旅展以外の展示会も多く運営している会社です。

04

高雄市旅行商業同業公会

高雄の旅行会社の業界団体です。10月2日からの冬季国際旅展と、5月の国際旅展を主催しています。上のKSTFとは別の主催者です。

主催が違えば、集まる旅行会社も、来場者に配られる割引券の仕組みも、ブースの規定も変わります。去年ITFで通った進め方が、秋季旅展でそのまま通るとは限りません。

旅展は、その場で売る展示会です

台湾からの訪日旅行者は、7割以上がFIT(個人)旅行者です。団体ツアーの比率は2割を切っています。旅展は、旅行会社に商品を置いてもらう場であると同時に、旅行者本人に直接見てもらう場でもあります。

会場と客層は、旅展ごとに違います

先の表に並べた8本は、すべて金曜から月曜までの4日間です。台湾の旅展は、この日程でほぼ固定されています。

初日の金曜は平日なので、業界の関係者や、時間の自由がきく年配の来場者が中心になります。土日に家族連れが増え、最終日の月曜にもう一度、買い逃した人が来ます。4日間のどこに人を厚く配置するかは、この形を前提に決めます。

会場の性格も分かれます。

会場立地来る人
世貿一館台北101の隣。MRT「台北101/世貿」駅から歩いて2分買い物や食事のついでに寄れる
南港展覧館台北の東のはし。MRT「南港展覧館」駅その旅展を目当てに出てくる
台中・台南・高雄各都市の会展中心地元の人や旅行会社が中心

世貿一館で開かれる季節の旅展は、街なかの会場なので、もともと日本に関心がなかった人が通りかかります。一方でITFの南港は、わざわざ電車に乗って出てくる会場です。来場者は旅行の予定を決めるつもりで来ています。

秋山 光輔CEO

同じブースを出しても、世貿一館とITFでは入場者の属性に若干違いが出ます。世貿一館は「ここどこ?」から始まり、ITFは「この時期に行きたいんだけど」から始まる場合があります。配る物や話す順番など、準備するものも調整が必要です。

地方の旅展は、台北より規模は小さくなりますが、そのぶん競合する日本の出展者も少なくなります。台北からの客だけでは足りない、中部や南部の空港・路線に紐づけて誘客したい、という場合はここが選択肢になります。

判断がつかない場合は、まずはどれでもいいので旅展を1本見に行くことをおすすめしています。出展する前に会場を歩くと、自分たちのブースで何ができるかが具体的になります。この現地調査をするかどうかで、成果が大きく変わります。カケハシでも、視察のご案内をしています。

日本からは、どこが出ているか

これがいちばん役に立つ情報かもしれません。日本の自治体や企業は、どの旅展にも均等に出ているわけではありません。

各旅展の出展社ページを1つずつ当たった結果です。

旅展日本からの出展
ITF(11月・台北)日本ゾーンに110団体・207ブース(2025年)
ATTA 台中(10月末)「日本官方主題館」に宮崎県観光局、福島県観光局、愛媛県、香川県、山形県米沢市、山形県酒田市DMO、甲子園歴史館×兵庫県観光本部(2025年の回)
高雄市旅行公会 冬季(10月)山形市、仙台・宮城、東北、福島県白河、新潟県三条市、石川県、香川県など11ブース
TTE(5月・台北)宮崎県と宮崎県観光協会(2024年・2026年)、東京観光財団が共同出展枠を公募(2024年)

出典:日本観光振興協会、ATTA台中国際旅展の出展社ページ(2025年11月時点の保存版)、高雄市旅行公会国際旅展の出展社ページ、宮崎県の報道発表(2026年5月20日)、東京観光財団の公募(2024年4月15日)。台中と高雄の団体名は、台湾側のサイトに載っているブース名義です。日本側の正式名称とは表記が異なります。台中は2025年の回の実績で、2026年10月末の回の顔ぶれはまだ確定していません。

出展した側が成果を公表している例もあります。福岡観光コンベンションビューローは、2025年のITFで福岡のショッピングパスを事前販売300枚、会期中に100枚、いずれも完売したと報告しています。1枚100台湾ドル、500円ほどのパスです。

ITF以外の旅展には、日本側のとりまとめがありません。主催者と直接やり取りして、個別に申し込む形になります。

申込の時期を間違えると、1年待つことになります

2026年のITFは、台湾側の受付が3月2日に始まり、上限に達し次第の締切でした。日本観光振興協会がとりまとめるジャパンパビリオンは、4月1日から6月5日で締め切り済みです。

ITFに出るなら、動くのは前年の冬から

日本ゾーンの受付は4月1日の10時に始まり、6月5日の17時に閉まります。予算の確保、小間数の決定、社内の承認を逆算すると、前年の12月から1月には動き始める必要があります。2026年からは、あらかじめ2次募集の期間を設けないことになりました。受付期間中でも、上限に達した時点で締め切られる場合があります。

申込が多すぎた年は、会員が優先されます

収容できるブース数を超えた場合、同じ日の申込であれば日本観光振興協会の会員が優先されます。出展料の支払いは8月31日まで。9月1日以降の取消は、請求額の全額がかかります。

ITF以外は、日本語では申し込めません

日本政府観光局(JNTO)の案内にも、ITF以外の旅展は日本語対応が不可と明記されています。申込書も規定も中国語です。現地の窓口とやり取りできる体制がないと、書類の段階で止まります。

なお、ITFの出展料は、日本観光振興協会の募集要項で公表されています。1ブース(3メートル×3メートル)あたり、備品の付くシェルブースが53万2,000円、床だけを借りる土間渡しが47万3,000円。協会の会員は、ここから1万6,500円が引かれます。

2026年は前年より約4%上がりました。円安と、台湾側の人件費・資材費の上昇が理由だと要項に書かれています。ここに装飾、輸送、通訳、スタッフの渡航が乗ります。費用の全体像は、別の記事で内訳ごとに整理します。

この記事が当てはまらない場合

  • 旅行以外の商材の場合: 食品、美容、アニメなどは別の展示会が向きます。会期は台湾の展示会カレンダーにまとめています
  • 今年のITFに出たい場合: 2026年の申込はすでに終わっています。視察に切り替えるか、2027年に向けて準備する形になります
  • バイヤーとの商談だけが目的の場合: 消費者向けの旅展より、商談会や個別のアポイントのほうが確実です

まとめ

台湾の旅展はITFだけではありません。これから半年で8本、台北と地方で続きます。

いちばん大きいのはITFですが、台中と高雄の春、そしてTTEにも、その7割から9割の数が来場されます。日本の自治体や企業の出展が確認できたのも、ITF、台中のATTA、5月のTTE、そして高雄です。

過去の出展でどんな景色だったかは、2025年・2024年・2023年の出展レポートに書いています。どの旅展に出るべきか迷われている場合は、商材と目的を伺えば、台北のチームがご提案します。