台湾最大級の漫画・アニメの祭典「漫画博覧会(コミック・エキシビション2023)」が2023年7月27〜31日に、台北世界貿易中心(台北世界貿易センター)1館で開催されました。コロナ明けの本格開催ということで、出展ブース数は1200小間、来場者は延べ64万人といずれもコロナ前を上回り過去最高となりました。今回はイベントの盛り上がりを皆さんへ紹介していきます。

会場内はコスプレイヤーであふれていました

ジャニーズ登場で台風に負けぬ熱気

初日、なんとジャニーズのグループ「Travis Japan(トラビス・ジャパン)」が開幕イベントに登場!7月3日にリリースしたばかりの「Candy Kiss」を披露し会場を盛り上げました。会場にはTravis Japanを一目みようと、台湾のみならず、日本や香港からファン(いわゆるトラジャ担)が駆け付けていました。台風が接近していたため、雨が降る中、前日夜からイベント整理券を求めるファンによる長い行列ができたそうです。

Travis Japanによる歌とダンスパフォーマンスで開幕初日から大盛り上がり(写真提供=2023漫画博覧会)

Travis Japanのパフォーマンス情報の告知(写真提供=2023漫画博覧会)

人物名など
実はTravis Japanのライブ時間は会社の昼休憩の時間と被っていたので、せっかく台湾でパフォーマンスが見られるなら!と思い、入場チケットを買って1階の会場に、ライブ開始時間の15分前に行ってみたのですが…
午前中に配布された整理券を持っている人以外は特設会場内に入ることができませんでした。会場に入れず外で泣いている人や怒っている人が結構いて、彼らを一目見るために皆さん大変な思いをされたんだと思いました。これまで何度も漫画博覧会に視察に来ていますが、初めて見る光景に、彼らの人気を実感しました。

筆者が訪れたのは開幕3日目の土曜日で、開催後初の週末に入り、盛り上がりが更にヒートアップしています。

上階からみた漫画博覧会の様子

 

マリオやゼルダ、任天堂ブースの人気

スーパーマリオでおなじみの任天堂は、今回初出展となりました。「マリオカート8 デラックス」「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」「スプラトゥーン3」など今まさにホットなタイトルの専用ブースを設置していました。

同ブースではゲームの体験プレイができたのですが、私が会場を訪れた時にはゲーム3種とも予約が既に埋まっており、体験プレイをすることが叶いませんでした。マリオコーナーでは、土管に入ってマリオとの写真撮影もできました。

まるでマリオの世界にいるかのようです

人物名など
今年公開されたマリオの映画は台湾でも大人気!オリジナル音声+中文字幕のみならず、日本語吹き替え版まで放映される人気ぶりで、私は日本語吹き替え版を観にいきましたがほぼ満席でした!台湾で非常に人気のあるコンテンツなので、今回が初出展だとは驚きました。

ゼルダの伝説では、迷路や障害で構成されている祠(ほこら)のゴール時間を競う、タイムアタックゲームがプレイができました。主人公のリンクを正確に操作するスキルが問われるため、参加者皆さん真剣にプレイされていました。

eスポーツが普及する台湾で、よく観られる光景ですスプラトゥーンのブースも可愛くデコレーションされていました

会場にはオンラインゲーム、スマホゲームのブースが数多く見られ、任天堂ブースの横には人気アニメ「ワンパンマン」のスマホゲームのステージがあり、ひときわ目を引きました。ステージ上ではMCがゲームストーリーを説明していました。

スマホゲームのプロモーションに非常に注力していることが伺えました

 

大流行の【推しの子】も初参戦、ファンイベントに殺到

ゲーム以外では、人気アニメ「【推しの子】」も今回が初出展となりました。筆者がブースを訪れたのはイベント終了1時間前だったのにも関わらず、物販エリアには行列が出来ていました。【推しの子】の主題歌「アイドル」は台湾でも人気です。

期間中、作者の赤坂アカさんと横槍メンゴさんらも訪台しサイン会が開催されました。参加チケットの販売は限定120枚のみと少なく、入手できなかったファンらが外からでもひと目見ようと会場入口前に集まっていました。ただ会場は壁で仕切られ、見ることはできませんでした。残念。

【推しの子】の大型パネルは、非常に目立つ中央に位置していました

イベントスペースでは日本の漫画・アニメ作品のイベントも多数開かれました。「進撃の巨人」のエレン・イェーガーの声を演じる梶裕貴さん、「SPY×FAMILY(スパイファミリー)」のロイド役を演じる江口拓也さん、「ぼっち・ざ・ろっく!」の後藤ひとり役を演じる青山吉能さんなど大物声優が訪台し、ファンイベントを開催しました。

梶裕貴さん(写真提供=木棉花)

江口拓也さんのファンイベントのチケットはNT2500元で限定200枚のみ。すぐに売り切れたそうです。

江口拓也さん(左、写真提供=木棉花)

人気タイトルのブースが集結

「呪術廻戦」と「チェンソーマン」のブースでは、人気キャラ「五条悟」「夏油傑」パネルを発見。キーホルダーなどグッズの福袋がNTD900元(約4000円)で販売されていました。

 チェンソーマンのキャラクター、ポチタのグッズが可愛い!

チェンソーマンといえば、漫画博覧会には珍しいユニクロのTシャツブランド「UT(ユーティー)」とのコラボブースを構えていました。チェンソーで切り刻まれたユニクロロゴのインスタレーションが印象的で、主人公のデンジなど各キャラのコスプレイヤーが出迎えてくれました。

デンジのコスプレ(写真提供=ユニクロ台湾)

ユニクロロゴに刻まれた痕はリアルにできていて、チェンソーマンの雰囲気にピッタリでした

壁一面に飾られたコラボTシャツとアニメシーンのパネル。見ているだけで欲しくなります。

台湾の街角ではアニメやゲームとコラボしたUTを着ている人をよく見かけます

会場にはほかにも「ワンピース」「ブラック・ジャック」「名探偵コナン」の展示ブースがありました。日本の名作漫画やアニメが台湾人に人気だということが分かります。


名探偵コナンの人気は根強い印象で、劇場版を観に映画館に足を運ぶ人も少なくありません

ハローキティやマイメロディ、クロミなどで人気のサンリオも今回が初参加!老若男女のファンらが押し寄せ、グッズを買い求めていました。

台湾で人気のキャラクターは漫画やアニメ由来に限りません

ちいかわも発見!

会場には漫画やアニメ、ゲームのキャラに扮したコスプレイヤーも沢山いて、お祭りムードでした。今回紹介できたのはほんの一部でしたが、参加していたタイトルはとても豪華だったことが伝わったかと思います。

2024年の漫画博覧会は7月25〜29日に開催予定です。アフターコロナで展示会イベントが盛り上がりを見せる中、来年この時期に、台湾への旅行計画を立ててみてはいかがでしょうか?

人物名など
毎年この展示会では日本のアニメコンテンツの力強さに本当に驚かされています。今回も開催前日から行列ができ、限定品を狙った台湾の若者達が集まりました。会場を見てるとZ世代だけでなく、30~50代の参加者も目立っていました。年代に関わらず熱狂できる日本のアニメコンテンツの影響力を肌で感じています。来年は更なる盛り上がりを見せる事を期待しています。