目次7章 / 15項目
  1. 台湾のThreadsは、どのくらい使われているか
  2. 広告リーチは665万人。Instagramの半分を超える
  3. 数字の性質に注意する
  4. 広告は、いつから何ができるようになったか
  5. InstagramやFacebookと、何が違うか
  6. 1投稿あたりの反応が、Facebookより6割多い
  7. 台湾で反応が多いのは、木曜の夜8時
  8. 返信する投稿者は、まだ少ない
  9. カケハシ代表の秋山のアカウントで起きたこと
  10. フォロワー1,000人ほどで、9.2万回再生された投稿
  11. 日本語で書いた台湾の日常は、17万回再生
  12. 前後1か月で、リーチはおよそ150万
  13. 日本企業が台湾のThreadsを使うときの設計
  14. Threadsが向かないケース
  15. まとめ

台湾でThreadsを使っている人は、日本の感覚よりずっと多くいます。

DataReportalの「Digital 2026」によると、2025年後半の時点で台湾のThreadsの広告リーチは665万人です。18歳以上の33.5%、つまり成人の3人に1人に広告が届く計算です。

出典:DataReportal「Digital 2026: Taiwan」(Metaの広告ツールによる推定リーチ、2025年後半の時点)

世界のThreadsのアクセスのうち24.04%は台湾からで、国別で1位です。2位の米国(17.30%)を約7ポイント上回ります。台湾の分析会社QSearchが、2025年の1年分の公開投稿2.6億件を分析した集計です。

出典:QSearch「台灣 Threads 品牌行銷完整指南」2026年4月16日(第三者による集計。分析期間は2025年1月1日〜12月31日)

この記事は2025年7月に公開した内容を、2026年9月時点の数字と広告の仕様に合わせて書き直したものです。台湾のThreadsがどのくらい使われているか、広告で何ができるようになったか、そして日本企業が使うときにどう設計するかを整理します。

台湾のThreadsは、どのくらい使われているか

広告リーチは665万人。Instagramの半分を超える

台湾の主要SNSの広告リーチ

単位:万人 DataReportal「Digital 2026: Taiwan」2025年後半の時点

YouTubeYouTubeYouTube 広告リーチ(万人): 18101810FacebookFacebookFacebook 広告リーチ(万人): 17301730InstagramInstagramInstagram 広告リーチ(万人): 12201220ThreadsThreadsThreads 広告リーチ(万人): 665665
YouTubeYouTube 広告リーチ(万人): 18101810FacebookFacebook 広告リーチ(万人): 17301730InstagramInstagram 広告リーチ(万人): 12201220ThreadsThreads 広告リーチ(万人): 665665
SNS広告リーチ18歳以上に占める割合
YouTube1,810万人―
Facebook1,730万人87.1%
Instagram1,220万人60.4%
Threads665万人33.5%

Facebookの規模にはまだ届きません。ただ、Threadsの665万人はInstagramの1,220万人の半分を超えています。2023年に始まったサービスとしては、無視できない大きさです。

数字の性質に注意する

ここで使っている数字は、Threadsを使っている人の数そのものではありません。

Metaは、国別のThreads利用者数を公表していません。DataReportalの数字は、Metaの広告ツールが示す「広告が届く推定人数」です。QSearchの24.04%も、第三者がアクセスを集計した値で、利用者数ではありません。

どちらも、利用の広がりをつかむ目安としては十分に使えます。一方で、「台湾のThreads利用者は何人」と言い切る材料ではない点は、押さえておいてください。

広告は、いつから何ができるようになったか

台湾のThreads広告は、この1年半ほどで大きく変わりました。

時期変わったこと
2025年4月24日台湾でThreads広告の配信が始まる。当初はタイムラインに出る画像広告だけで、動画には対応していなかった
2026年1月Threads広告が全世界で開放される。画像と動画、カルーセル、アプリのインストール広告、カタログ広告に対応

2025年7月にこの記事を最初に書いたときは、画像広告しか出せない時期でした。いまは動画やカルーセルも使え、InstagramやFacebookと同じMetaの広告マネージャから配信先に加えられます。

Threadsのために、別の広告の仕組みを覚える必要はなくなりました。すでにInstagramやFacebookで広告を出している企業なら、配信先の選択にThreadsを足すところから始められます。

InstagramやFacebookと、何が違うか

1投稿あたりの反応が、Facebookより6割多い

QSearchの分析では、Threadsの1投稿あたりの平均の反応数(いいねとコメント)は177.89で、Facebookの110.06より約62%多くなっています。

Threadsは写真や動画がなくても、文章だけで投稿できます。そして、フォローしていない人のタイムラインにも投稿が流れます。知らない人の投稿に反応する使い方が、そのまま反応数の多さにつながっていると考えられます。

台湾で反応が多いのは、木曜の夜8時

投稿の時間帯にも、台湾ならではの傾向があります。

QSearchが台湾の3,600万件の投稿を分析したところ、反応が最も多いのは木曜の夜8時でした。一方、Bufferが世界の250万件の投稿から出した推奨は「水曜の朝7時」です。

出典:QSearch「2026 年 Threads 關鍵統計數據」(台湾はQSearch Trend+による2025年の投稿の分析、世界はBufferによる分析として紹介)

海外のSNS運用の定石をそのまま当てはめると、台湾では反応の少ない時間に投稿することになりかねません。

返信する投稿者は、まだ少ない

もう一つ、世界の12.8万件の投稿を調べた研究があります。投稿者がコメントに返信した投稿は、反応率が平均42%高くなっていました。ところが、投稿者が返信している投稿は全体の約8%にとどまります。

出典:QSearch「2026 年 Threads 關鍵統計數據」(研究者Julian Winternheimerによる分析として紹介)。台湾だけの数値ではありません。

Threadsは、投稿そのものより、そのあとの会話で広がるSNSだということです。

カケハシ代表の秋山のアカウントで起きたこと

数字の話だけでは実感が湧きにくいので、私たちの事例も紹介します。カケハシ代表・秋山の個人アカウントで、2026年6月末に起きたことです。

フォロワー1,000人ほどで、9.2万回再生された投稿

2026年6月30日、台湾最大規模の音楽賞「金曲奨」の会場で撮った写真を、繁体字で投稿しました。華やかな舞台装置を見せたあと、裏手の撮影機材の上に、緑色のお菓子「乖乖」が置かれている様子を添えた投稿です。当時のフォロワーは1,000人ほどでした。

「乖乖(グアイグアイ)」は、日本語の「いい子いい子」にあたる言葉です。台湾では、この緑色の袋を機械の上に置いておくと、故障せずに動き続けてくれると信じられています。台湾の映像制作業界ではよくある光景で、ライブ中継や大切な撮影のときには、カメラの上にこのお菓子が置かれています。

野球場の中継カメラの上に置かれた、緑色の袋のお菓子「乖乖」
中継カメラの上に置かれた「乖乖」。台湾の撮影現場でよく見かけます

最新の機材が並ぶ音楽賞の舞台裏で、トラブルを避けるために置かれていたのが、一袋のお菓子でした。

投稿は、この一文から始めました。

台灣最強的黑科技,不是 AI,是綠色乖乖。

(台湾最強の技術はAIではなく、緑の乖乖だった)

「黑科技」は、日本語でいう「すごい技術」にあたる、台湾でよく使われる言い方です。その言葉の受け皿として身構えたところに、AIではなくお菓子を置いた。この落差が、読んだ人の手を止めたのだと思います。

説明を足さず、台湾の人が普段使う言葉のまま、1行目で落としました。AIの時代にも残るアナログな習慣と、華やかな舞台とのギャップ。繁体字で、現地の言い回しで書いたからこそ届いたという点が、この投稿からいちばん学べたことです。

金曲奨の舞台と、撮影機材の上に置かれた緑色の乖乖の写真を載せたThreadsの投稿のインサイト画面。再生数92,771、閲覧者58,772、プロフィールへのアクセス1,444、いいね8,520、コメント71、再投稿135

この投稿は再生数92,771、閲覧者58,772人でした。いいね8,520、コメント71、再投稿135で、反応は合わせて8,726件です。閲覧のうち91.7%はホーム(おすすめのタイムライン)経由で、プロフィール経由は0.42%、検索経由は0.72%でした。

日本語で書いた台湾の日常は、17万回再生

その4日前の6月26日には、台風の日の駅のホームで見かけた光景を日本語で投稿しています。台風のある日、足元はビーチサンダルなのに、手にはノートPCの入ったビジネスバッグ。

日本で雨の日に考えるのは、「濡れないように、どの靴を履くか」です。台湾では「どうせ濡れるのだから、乾きやすいサンダルで行く」ほうが正解とされています。同じ天気に対する考え方が逆になっていて、その落差が伝わったのだと思います。

台風の日の駅のホームで、ビーチサンダルを履いた人の足元を写したThreadsの投稿のインサイト画面。再生数173,744、閲覧者123,472、プロフィールへのアクセス8,131、いいね4,554、コメント181、再投稿54

こちらは再生数173,744、閲覧者123,472人、プロフィールへのアクセスは8,131件でした。

この投稿には日本と台湾の両方からコメントが集まり、181件のやりとりになりました。日本語で書いた投稿ですが、台湾の人からは「たしかにそうしている」という反応が、日本の人からは「その発想はなかった」という反応が返ってきます。見た人がすべて台湾の人だとは言えませんが、どちらの側から見ても引っかかる話題だと、会話が伸びます。

出典:投稿インサイト画面(代表・秋山のアカウント)

前後1か月で、リーチはおよそ150万

この2本を含む前後1か月で、アカウント全体のリーチはおよそ150万に達しました。インサイト画面の控えが残っていないため、代表の記録による概数です。

2本に共通するのは、台湾の日常にある「ギャップ」を切り取った話題だったことです。フォロワーが少なくても、台湾の人が「わかる」と感じる話題なら、フォローしていない人のタイムラインにまで届きます。金曲奨の投稿で9割以上がホーム経由だったことが、その広がり方を示しています。

日本企業が台湾のThreadsを使うときの設計

01

広告とアカウント運用の役割を分ける

広告は、フォロワーではない人に届けるための手段です。アカウント運用は、届いた人との会話を続けるための手段です。広告だけを出して、アカウントでは何も返さない状態にすると、Threadsの強みである会話が生まれません。最初にどちらに何を任せるかを決めてから始めてください。

02

返信する人を、配信の前に決めておく

世界の分析では、返信のある投稿は反応率が42%高く、それでも返信している投稿は8%しかありません。繁体字でコメントに返せる担当者を、投稿を始める前に決めてください。日本の本社で翻訳を待ってから返すと、会話が冷めてしまいます。台湾側で返せる体制を持つことが、他社との差になります。

03

投稿と配信の時間を、台湾の生活時間で組む

台湾で反応が多いのは木曜の夜8時でした。日本の担当者の勤務時間に合わせて昼に投稿するのではなく、台湾の人がスマートフォンを見る夜の時間に合わせてください。予約投稿や広告の配信時間の設定を、台湾時間で組み直すところから始められます。

04

日本語の原稿を訳さず、台湾の話し言葉で書く

実はここが最も重要な部分かもしれません。Threadsは文章が主役のSNSです。日本語の宣伝文を繁体字に直訳した投稿は、台湾の人の会話のなかで浮いてしまいます。直訳のまま投稿して、日本企業のアカウントが台湾で強い批判を受けた例も見かけます。当社が運用していたアカウントの話ではありませんが、同じことは誰にでも起こり得ます。

台湾の人が普段使う言い回しで書いてください。訳すだけでは伝わらない理由は、台湾向けLPが伸びない理由は、翻訳精度ではなく元の原稿にあるで詳しく扱っています。

Threadsが向かないケース

  • 写真や動画で見せる商材 料理や景色、商品の見た目で選ばれるものは、Instagramのほうが効率よく届く場合があります
  • 高い年齢層を含めて広く届けたい場合 18歳以上へのリーチはFacebookが87.1%、Threadsは33.5%です。幅広い層に届けたいならFacebookが中心になります
  • 返信の体制を作れない場合 広告だけを出しても、会話で広がるThreadsの強みは生かせません

まとめ

台湾のThreadsの広告リーチは665万人で、成人の3人に1人に届きます。広告は2026年1月から動画やカルーセルにも対応し、InstagramやFacebookと同じ広告マネージャから配信できるようになりました。

Threadsは、投稿そのものより、そのあとの会話で広がるSNSです。広告で届け、台湾の話し言葉で書き、台湾の夜の時間に投稿し、コメントに繁体字で返す。この4つを台湾側で回せるかどうかが、日本企業が台湾のThreadsで成果を出せるかの分かれ目になります。