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台湾でThreadsを使っている人は、日本の感覚よりずっと多くいます。
DataReportalの「Digital 2026」によると、2025年後半の時点で台湾のThreadsの広告リーチは665万人です。18歳以上の33.5%、つまり成人の3人に1人に広告が届く計算です。
出典:DataReportal「Digital 2026: Taiwan」(Metaの広告ツールによる推定リーチ、2025年後半の時点)
世界のThreadsのアクセスのうち24.04%は台湾からで、国別で1位です。2位の米国(17.30%)を約7ポイント上回ります。台湾の分析会社QSearchが、2025年の1年分の公開投稿2.6億件を分析した集計です。
出典:QSearch「台灣 Threads 品牌行銷完整指南」2026年4月16日(第三者による集計。分析期間は2025年1月1日〜12月31日)
この記事は2025年7月に公開した内容を、2026年9月時点の数字と広告の仕様に合わせて書き直したものです。台湾のThreadsがどのくらい使われているか、広告で何ができるようになったか、そして日本企業が使うときにどう設計するかを整理します。
台湾のThreadsは、どのくらい使われているか
広告リーチは665万人。Instagramの半分を超える
単位:万人 DataReportal「Digital 2026: Taiwan」2025年後半の時点
| SNS | 広告リーチ | 18歳以上に占める割合 |
|---|---|---|
| YouTube | 1,810万人 | ― |
| 1,730万人 | 87.1% | |
| 1,220万人 | 60.4% | |
| Threads | 665万人 | 33.5% |
Facebookの規模にはまだ届きません。ただ、Threadsの665万人はInstagramの1,220万人の半分を超えています。2023年に始まったサービスとしては、無視できない大きさです。
数字の性質に注意する
ここで使っている数字は、Threadsを使っている人の数そのものではありません。
Metaは、国別のThreads利用者数を公表していません。DataReportalの数字は、Metaの広告ツールが示す「広告が届く推定人数」です。QSearchの24.04%も、第三者がアクセスを集計した値で、利用者数ではありません。
どちらも、利用の広がりをつかむ目安としては十分に使えます。一方で、「台湾のThreads利用者は何人」と言い切る材料ではない点は、押さえておいてください。
広告は、いつから何ができるようになったか
台湾のThreads広告は、この1年半ほどで大きく変わりました。
| 時期 | 変わったこと |
|---|---|
| 2025年4月24日 | 台湾でThreads広告の配信が始まる。当初はタイムラインに出る画像広告だけで、動画には対応していなかった |
| 2026年1月 | Threads広告が全世界で開放される。画像と動画、カルーセル、アプリのインストール広告、カタログ広告に対応 |
2025年7月にこの記事を最初に書いたときは、画像広告しか出せない時期でした。いまは動画やカルーセルも使え、InstagramやFacebookと同じMetaの広告マネージャから配信先に加えられます。
Threadsのために、別の広告の仕組みを覚える必要はなくなりました。すでにInstagramやFacebookで広告を出している企業なら、配信先の選択にThreadsを足すところから始められます。
InstagramやFacebookと、何が違うか
1投稿あたりの反応が、Facebookより6割多い
QSearchの分析では、Threadsの1投稿あたりの平均の反応数(いいねとコメント)は177.89で、Facebookの110.06より約62%多くなっています。
Threadsは写真や動画がなくても、文章だけで投稿できます。そして、フォローしていない人のタイムラインにも投稿が流れます。知らない人の投稿に反応する使い方が、そのまま反応数の多さにつながっていると考えられます。
台湾で反応が多いのは、木曜の夜8時
投稿の時間帯にも、台湾ならではの傾向があります。
QSearchが台湾の3,600万件の投稿を分析したところ、反応が最も多いのは木曜の夜8時でした。一方、Bufferが世界の250万件の投稿から出した推奨は「水曜の朝7時」です。
出典:QSearch「2026 年 Threads 關鍵統計數據」(台湾はQSearch Trend+による2025年の投稿の分析、世界はBufferによる分析として紹介)
海外のSNS運用の定石をそのまま当てはめると、台湾では反応の少ない時間に投稿することになりかねません。
返信する投稿者は、まだ少ない
もう一つ、世界の12.8万件の投稿を調べた研究があります。投稿者がコメントに返信した投稿は、反応率が平均42%高くなっていました。ところが、投稿者が返信している投稿は全体の約8%にとどまります。
出典:QSearch「2026 年 Threads 關鍵統計數據」(研究者Julian Winternheimerによる分析として紹介)。台湾だけの数値ではありません。
Threadsは、投稿そのものより、そのあとの会話で広がるSNSだということです。
カケハシ代表の秋山のアカウントで起きたこと
数字の話だけでは実感が湧きにくいので、私たちの事例も紹介します。カケハシ代表・秋山の個人アカウントで、2026年6月末に起きたことです。
Threads @akiyama_jpカケハシ代表 秋山光輔のアカウントを開く
フォロワー1,000人ほどで、9.2万回再生された投稿
2026年6月30日、台湾最大規模の音楽賞「金曲奨」の会場で撮った写真を、繁体字で投稿しました。華やかな舞台装置を見せたあと、裏手の撮影機材の上に、緑色のお菓子「乖乖」が置かれている様子を添えた投稿です。当時のフォロワーは1,000人ほどでした。
「乖乖(グアイグアイ)」は、日本語の「いい子いい子」にあたる言葉です。台湾では、この緑色の袋を機械の上に置いておくと、故障せずに動き続けてくれると信じられています。台湾の映像制作業界ではよくある光景で、ライブ中継や大切な撮影のときには、カメラの上にこのお菓子が置かれています。

最新の機材が並ぶ音楽賞の舞台裏で、トラブルを避けるために置かれていたのが、一袋のお菓子でした。
投稿は、この一文から始めました。
台灣最強的黑科技,不是 AI,是綠色乖乖。
(台湾最強の技術はAIではなく、緑の乖乖だった)
実際の投稿:@akiyama_jp(2026年6月30日)
「黑科技」は、日本語でいう「すごい技術」にあたる、台湾でよく使われる言い方です。その言葉の受け皿として身構えたところに、AIではなくお菓子を置いた。この落差が、読んだ人の手を止めたのだと思います。
説明を足さず、台湾の人が普段使う言葉のまま、1行目で落としました。AIの時代にも残るアナログな習慣と、華やかな舞台とのギャップ。繁体字で、現地の言い回しで書いたからこそ届いたという点が、この投稿からいちばん学べたことです。
この投稿は再生数92,771、閲覧者58,772人でした。いいね8,520、コメント71、再投稿135で、反応は合わせて8,726件です。閲覧のうち91.7%はホーム(おすすめのタイムライン)経由で、プロフィール経由は0.42%、検索経由は0.72%でした。
出典:投稿インサイト画面(代表・秋山のアカウント)。閲覧の経路は訪日ラボ「台湾インフルエンサー施策の勝ち筋とは 2026年最新実践ガイド【台湾インバウンド解体新書 by カケハシ vol.3】」2026年9月10日
日本語で書いた台湾の日常は、17万回再生
その4日前の6月26日には、台風の日の駅のホームで見かけた光景を日本語で投稿しています。台風のある日、足元はビーチサンダルなのに、手にはノートPCの入ったビジネスバッグ。
実際の投稿:@akiyama_jp(2026年6月26日)
日本で雨の日に考えるのは、「濡れないように、どの靴を履くか」です。台湾では「どうせ濡れるのだから、乾きやすいサンダルで行く」ほうが正解とされています。同じ天気に対する考え方が逆になっていて、その落差が伝わったのだと思います。
こちらは再生数173,744、閲覧者123,472人、プロフィールへのアクセスは8,131件でした。
この投稿には日本と台湾の両方からコメントが集まり、181件のやりとりになりました。日本語で書いた投稿ですが、台湾の人からは「たしかにそうしている」という反応が、日本の人からは「その発想はなかった」という反応が返ってきます。見た人がすべて台湾の人だとは言えませんが、どちらの側から見ても引っかかる話題だと、会話が伸びます。
出典:投稿インサイト画面(代表・秋山のアカウント)
前後1か月で、リーチはおよそ150万
この2本を含む前後1か月で、アカウント全体のリーチはおよそ150万に達しました。インサイト画面の控えが残っていないため、代表の記録による概数です。
2本に共通するのは、台湾の日常にある「ギャップ」を切り取った話題だったことです。フォロワーが少なくても、台湾の人が「わかる」と感じる話題なら、フォローしていない人のタイムラインにまで届きます。金曲奨の投稿で9割以上がホーム経由だったことが、その広がり方を示しています。
日本企業が台湾のThreadsを使うときの設計
広告とアカウント運用の役割を分ける
広告は、フォロワーではない人に届けるための手段です。アカウント運用は、届いた人との会話を続けるための手段です。広告だけを出して、アカウントでは何も返さない状態にすると、Threadsの強みである会話が生まれません。最初にどちらに何を任せるかを決めてから始めてください。
返信する人を、配信の前に決めておく
世界の分析では、返信のある投稿は反応率が42%高く、それでも返信している投稿は8%しかありません。繁体字でコメントに返せる担当者を、投稿を始める前に決めてください。日本の本社で翻訳を待ってから返すと、会話が冷めてしまいます。台湾側で返せる体制を持つことが、他社との差になります。
投稿と配信の時間を、台湾の生活時間で組む
台湾で反応が多いのは木曜の夜8時でした。日本の担当者の勤務時間に合わせて昼に投稿するのではなく、台湾の人がスマートフォンを見る夜の時間に合わせてください。予約投稿や広告の配信時間の設定を、台湾時間で組み直すところから始められます。
日本語の原稿を訳さず、台湾の話し言葉で書く
実はここが最も重要な部分かもしれません。Threadsは文章が主役のSNSです。日本語の宣伝文を繁体字に直訳した投稿は、台湾の人の会話のなかで浮いてしまいます。直訳のまま投稿して、日本企業のアカウントが台湾で強い批判を受けた例も見かけます。当社が運用していたアカウントの話ではありませんが、同じことは誰にでも起こり得ます。
台湾の人が普段使う言い回しで書いてください。訳すだけでは伝わらない理由は、台湾向けLPが伸びない理由は、翻訳精度ではなく元の原稿にあるで詳しく扱っています。
Threadsが向かないケース
- 写真や動画で見せる商材 料理や景色、商品の見た目で選ばれるものは、Instagramのほうが効率よく届く場合があります
- 高い年齢層を含めて広く届けたい場合 18歳以上へのリーチはFacebookが87.1%、Threadsは33.5%です。幅広い層に届けたいならFacebookが中心になります
- 返信の体制を作れない場合 広告だけを出しても、会話で広がるThreadsの強みは生かせません
まとめ
台湾のThreadsの広告リーチは665万人で、成人の3人に1人に届きます。広告は2026年1月から動画やカルーセルにも対応し、InstagramやFacebookと同じ広告マネージャから配信できるようになりました。
Threadsは、投稿そのものより、そのあとの会話で広がるSNSです。広告で届け、台湾の話し言葉で書き、台湾の夜の時間に投稿し、コメントに繁体字で返す。この4つを台湾側で回せるかどうかが、日本企業が台湾のThreadsで成果を出せるかの分かれ目になります。





