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台湾人に人気の「日本のローカル体験」5選

日本の地方体験を楽しむイラスト

 1. はじめに

台湾人観光客は日本の有名な都市だけでなく、ローカルでユニークな体験にも興味を持っています。特に、一般的な観光名所とは異なる「日本らしい」体験や、その土地ならではの文化に触れることができる体験が人気です。これらの体験は、地方創生の観点からも大きな価値を持ち、地域の活性化につながります。本記事では、台湾人旅行者に特に評価されている「日本のローカル体験」5つを紹介します。

 2. 台湾人に人気の「日本のローカル体験」5選

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 (1) 地元の市場巡り(朝市や商店街)

日本の市場や商店街は、台湾人旅行者にとって「本物の日本文化」を感じられるスポットです。店員が店舗前で客を呼び込む様子や、店舗の装飾、商品などは、台湾人旅行者の目にも新鮮に写ります。特に、新鮮な海産物やご当地グルメを味わえる朝市や、地元の人々の暮らしが垣間見える商店街は人気です。これらの市場は、地方創生の一環として観光客を呼び込む重要な要素となっています。

人気な市場・商店街の例

●築地場外市場(東京):生物を食べない台湾人もいますが、日本の魚介類は台湾人には人気の厚いコンテンツです。築地は寿司や海鮮丼を楽しめるスポット、多くの台湾人インフルエンサーが訪れているという影響もあって知名度も高く、新鮮な魚介類やお惣菜を楽しみにやってくる台湾人観光客は多いです。

●黒門市場(大阪):日本の旅行先に大阪を選ぶ台湾人旅行客は非常に多いです。大阪で日本のローカルな雰囲気を味わいたい台湾人にとって、黒門市場は格好のスポットです。たこ焼きや串カツなど、大阪グルメが満喫する以外に、台湾ではあまり馴染みのないフグが食べられることができるため、台湾人にも人気となっています。

●函館朝市(北海道):台湾でも「北海道の魚介類は新鮮」というイメージが浸透しています。新鮮な海産物をその場で食べられる、函館朝市の中にあるどんぶり横丁市場は、各店舗自慢の海鮮料理を安い値段で提供しており、ウニ、イクラ、といった海鮮丼が台湾人に非常に人気です。

 (2)農泊・田舎暮らし体験と田舎の教育体験

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台湾でも台北や高雄などの都市部に住む人々にとって、日本の自然豊かな農村での滞在は非日常的で魅力的な体験です。実際に農業体験をしたり、日本の伝統的な家屋に泊まることで、日本文化により深く触れることができ、一部層に人気なコンテンツとなっています。このような農泊体験は、地域経済を活性化させる地方創生のモデルとしても注目されています。また、日本の田舎では、伝統的な暮らしや地元の知恵を学ぶ教育体験も増えています。

例えば、子供たちが田植えや稲刈りを体験できるプログラムや、自然の中で環境学習をするワークショップがあり、家族連れの旅行者にも人気です。個人での旅行以外にも日台の学校間でこういった文化交流を実施する事例もあります。

●京都・美山のかやぶきの里:昔ながらの日本の農家の暮らしを体験。春には桜が咲き誇り、冬には雪景色と、台湾では体験することができない日本の四季を楽しむことができるため人気です。かやぶき屋根のビジュアルにロマンを感じる台湾人も多いです。京都の人気な観光地よりも、人が少なく、落ち着いた雰囲気を楽しみたいという理由で人気なスポットです。

●長野・信州の農泊:そば打ちや農業を体験できる場所として台湾でも一定の知名度があります。この地域で有名な「戸隠そば」は、美しい山々と清らかな水に恵まれており、そこで生産されるそばは非常に品質に優れているそばを作って味わうことができることが魅力として知られます。

●大分・由布院の古民家宿:由布院は台湾でも、温泉地としての知名度が高いです。天然温泉に浸かり、温かい湯がもたらす心地よさと静けさを味わうことを台湾人もよしとしています。多くの古民家には露天風呂がついており、家族やカップルには周囲を気にせずにくつろげる理想的な体験ができる場所として人気です。

 (3) 和菓子・お茶文化体験

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台湾人の間では抹茶や和菓子が大人気です。観光地のカフェで味わうだけでなく、実際に自分で作る体験ができるワークショップも高い評価を受けています。地域の伝統産業を活かしたDIY体験も人気で、地方創生に貢献しながら、訪日観光客へのアピールにもつながります。

人気な和菓子・お茶体験:

●宇治(京都)の抹茶体験:抹茶の点て方を学び、茶道の文化に触れられる。茶道文化のほかに、伝統的な日本の礼儀を学べるという面から、京都に行ったら必ず体験してみたいという意見が多いです。

●金沢の和菓子作り体験:職人と一緒に練り切りなどの和菓子を作る。あんこや小豆など、日本ならではの伝統和菓子を作れるため、台湾人にとっても貴重な体験です。

●静岡のお茶農園ツアー:お茶摘み体験と試飲ができる。お茶の葉をお土産として持ち帰ることができるため、台湾人の間で人気のアクティビティです。

 (4) 限定イベント(お祭り・神社体験)

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台湾人は日本の伝統文化に深い関心を持っており、お祭りや花火、神社での特別な体験も人気があります。季節ごとのイベントに合わせて訪れる旅行者も増えています。こうしたイベントは地域の活性化にも貢献し、地方創生の一環として地元住民と観光客の交流を促進する役割を果たしています。

おすすめの祭り・神社体験: 

●祇園祭(京都):日本三大祭りの一つ、豪華な山鉾巡行を楽しめる。日本の豪華なお祭りを浴衣を着て楽しめることが人気を呼んでいます。

●川越氷川神社(埼玉):縁結びで有名、風鈴祭りが特に人気。毎年夏に開催される縁結び風鈴祭りは、写真映えするイベントという面から、台湾の若者の間で人気です。

●長崎ランタンフェスティバル:幻想的なランタンの光景が魅力。祭りの見どころである「皇帝パレード」は豪華な中国伝統衣装を身にまとった行列が、皇帝と皇后の輿を取り囲みながら行進する中華の風情に満ちた雰囲気を楽しめることで人気です。

 (5) 工芸・伝統技術のワークショップ

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日本の伝統的な工芸品や技術を実際に体験することも、台湾人観光客にとっては貴重な経験となります。自分で手作りすることを台湾でもDIYと呼んでおり、幅広いDIY体験が台湾でも人気を博しています。伝統的な工芸品のDIY体験では、ものづくりを通じて、日本の文化の奥深さを知ることができます。また、こうしたワークショップを通じて地方の伝統工芸産業を支援し、地方創生にも貢献できます。

おすすめの伝統工芸体験:

●金沢の九谷焼絵付け体験:自分だけのオリジナル九谷焼を作れる。鮮やかな色彩が魅力的で目を引くようになり、「ジャパンクタニ」と呼ばれて海外では人気です。

●東京・浅草の江戸切子体験:伝統的なガラス細工の技術を学べる。観光しやすい東京なので、気軽に体験できるのが魅力です。

●京都の友禅染め体験:手描きの美しい染物を制作できる。日本の伝統芸術も学ぶことができる。

 3. まとめ:台湾人旅行者に響くローカル体験とは?

台湾人観光客は、日本の文化に深く触れることができるローカルな体験を求めています。観光地の定番スポットだけでなく、地域ならではの魅力を伝えることで、より満足度の高い旅行体験を提供することができます。

●食文化に関連する体験:(市場巡り、和菓子・お茶体験)は人気が高い。地元の人とのふれあいも楽しむことができるため。

●田舎暮らしや伝統文化に関する体験:特別感をもたらし、リピートにつながる。台湾にはない「四季」や「郷愁」への憧れを持つ人が多い。

●季節ごとのイベントや工芸体験:台湾人の間で注目されており、PR次第でさらなる集客が可能

●地方創生の視点からも、ローカル体験の提供は地域活性化に貢献できる

日本の地域ごとの特色を活かし、台湾人観光客向けに発信することで、インバウンド需要をさらに拡大させるとともに、地方創生の取り組みを推進することができます。

 4. 台湾人観光客の特徴とは?


台湾からの訪日観光客は、リピート率が90%以上と高く、他の外国人観光客と比べても滞在期間が長いことが特徴です。最近では、20代~30代の訪日が目立ち、日本の文化、四季の魅力を求めて何度も訪れる傾向があります。

特に、北海道・東北地方は、台湾では体験することがない冬の景色や、新鮮なグルメを楽しむことができることが魅力です。台湾から日本の地方都市への直行便が続々と就航する中、日本の地方都市は人気が伸びてきています。