目次6章 / 6項目
  1. ご依頼の背景
  2. お引き受けした範囲
  3. 進め方
  4. 結果
  5. 分かったこと
  6. 詳細について

経産省事業「走進福島相雙地區・安食樂居新發現 ― 感謝台灣,共創未來 ―」で、台湾側の窓口を担当しました。発注元のサクラ・シスターズ社のパートナーとして、現地での取材から発信、広告の運用、プレスリリースの配信までを台北のチームが引き受けています。実施は2025年10月から12月です。

ご依頼の背景

福島県の相双地域を、台湾の人にどう知ってもらうか、が出発点でした。

震災のあと、台湾からは世界でいちばん多い義援金が届いています。それでも、相双地域そのものの名前や、いまの食や暮らしが台湾で知られているとは言えません。知られていなければ、訪ねる候補にも入りません。

もうひとつの背景が、風評の払拭です。台湾でも、相双地域の名前は原発事故の報道とともに記憶されています。いま何が作られ、どんな味がするのかに触れる機会のほうが、はるかに少ない。ここが空いたままでは、訪ねてみようという話にはなりません。

そのうえで求められていたのが、関係人口の増加でした。一度知って終わりではなく、台湾側に相双地域を気にかける人を残すことです。

  • 目的 — 相双地域への理解促進、風評の払拭、関係人口の増加。そのために台湾向けイベントへの来場を促すこと
  • 課題 — 地域名も、いまの姿も台湾ではほとんど知られておらず、名前は事故の報道と結びついたままになっている
  • ターゲット — 台湾の幅広い年齢層。とくに親子・ファミリー層を含む一般消費者

お引き受けした範囲

  • 台湾向けSNSの立ち上げと運用(現地取材と投稿制作)
  • Meta広告(Facebook / Instagram)の設計と運用
  • 繁体字中国語への翻訳とローカライズ
  • 台湾でのリアルイベントのPR
  • バス広告を使ったプロモーション
  • 掲示板「Dcard」への記事広告の掲載
  • プレスリリースの配信

進め方

会期に入ってから広報しても、人は集まりません。イベントは1か月にわたり、毎週土日に開催しました。先に知ってもらう時間を作ることから始めています。

  1. 台湾向けのSNSページを立ち上げ、継続して発信
  2. 現地で取材し、台湾の読み手に向けた投稿を制作
  3. バス広告で、SNSを見ない層にも地域名を届ける
  4. Dcardの記事広告で、若い層に読み物として届ける
  5. プレスリリースを配信し、メディアの記事として広げる
  6. リアルイベントへの来場を促す(1か月・毎週土日の開催)

Meta広告は、ひとつの配信にまとめていません。ページのフォロワーを増やす配信、イベントの来場予約を取る配信、反応のあった投稿を広げる配信の3つに分け、目的ごとに別々に組みました。同じ予算でも、何を成果とみなすかで配信先が変わるためです。

繁体字は翻訳して終わりにしていません。日本語の資料をそのまま訳すと、地名も食材も、台湾の人には手がかりのない固有名詞の列になります。何と比べれば伝わるかを台北で考えてから書いています。

オフラインを組み合わせたのは、対象が幅広い年齢層だったためです。SNSだけでは、親子連れの上の世代まで届きません。

結果

広報全体の結果です。

  • メディア掲載 21社 — ウェブ19社、紙面2社
  • リアルイベントの予約 約440名 — 1か月・毎週土日の合計
  • SNSページの運営 — 立ち上げから2025年12月末まで

Meta広告の配信結果です。2025年11月10日から12月7日まで配信しました。数字はいずれも2026年1月21日時点の、おおよその値です。

約109万回

表示

Facebook / Instagram

約2万8,000回

クリック

リンク以外のクリックも含む合計。表示に対して約2.5%

約2万2,000件

リアクション

いいね・コメント・シェアなど

約1,100人

ページのフォロワー

1人あたり約60円

このうち、来場予約を取る配信だけで約34万人に届いています。

分かったこと

先に発信した期間が、予約数に効きました。 会期に入ってから告知を打つ場合と比べ、地域そのものを知ってもらう投稿を積み重ねてからのほうが、申し込みの動きが早く出ます。来場予約の配信は1クリック約6円で回りました。フォロワーを増やす配信の約19円と比べても安く、地域名を先に知らせておいたことが効いたと見ています。

記事の拡散は、当たった1本に寄りました。 反応のあった投稿15本に広告を足しましたが、表示の3分の1(約4万回)は1本に集中し、上位2本で半分に達しています。全部に均等に配分するより、動いた投稿を見てから足すほうが伸びます。事前にどれが当たるかは読めません。

動画は、いちばん安く見てもらえた形式でした。 最後まで再生されて1回約1円です。相双地域は文字で説明するより、店の様子や食べている場面をそのまま見せたほうが早く伝わります。

風評の払拭が目的のひとつでしたが、正面から反論する発信はしていません。 食べ物の写真、店の様子、人の話を積み上げるほうが、結果として理解につながります。台湾側の読み手が知りたいのは、安全の説明よりも「何がおいしいか」でした。

詳細について

投稿ごとの反応の内訳と、広告費の配分は、守秘の都合でこのページには載せていません。自治体や省庁のご担当者で、同じような課題をお持ちであれば、個別にご説明します。

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