目次6章 / 10項目
  1. 台湾向け広告は、どの媒体に出すか
  2. 媒体ごとの使いどころ
  3. SNS広告:Facebook・Instagram・Threads
  4. 検索広告:Google
  5. KOL(インフルエンサー)
  6. 交通広告:MRT・バス・タクシー
  7. 旅行のどの段階に届けるか
  8. 実際の施策の例
  9. この記事が当てはまらない場合
  10. まとめ

台湾向けに広告を出すとき、最初に迷うのは「何にいくら使うのがいいのか」だと思います。

台湾では、日本と届く媒体の顔ぶれが違います。優先順位や予算の割り振り、出す順番を見誤ると、広告費の無駄使いになる場合もあります。

この記事では、台湾向け広告の主な媒体と使いどころ、届けるタイミングを順に整理します。最後に、実際の予算と成果の例も紹介します。書いているのは、台北で日本企業の台湾向け広告を運用しているカケハシです。

台湾向け広告は、どの媒体に出すか

台湾の人口は約2,300万人。上位の媒体は、それだけで人口の大半に届きます。

媒体広告が届く人数向いている使い方
YouTube1,810万人(人口の78.4%)動画で商品や土地の魅力を見せる
Facebook1,730万人(人口の74.9%)幅広い年代に届ける
Instagram1,220万人(人口の52.6%)写真で選ばれる商材。若い層と女性に強い
Threads665万人(人口の28.8%)文章で会話を生む。反応が広がりやすい

出典:DataReportal「Digital 2026: Taiwan」(各社の広告ツールによる、広告が届く人数の推計。利用者数そのものではありません。2025年後半の時点)

日本との差がいちばん大きいのはFacebookです。人口に対する広告リーチは、台湾が74.9%、日本が13.4%。5倍以上の開きがあります。

日本で「Facebookはもう届かない」と考えている会社ほど、台湾では見直す価値があります。詳しい比較は台湾のSNSと検索の実態にまとめました。

媒体ごとの使いどころ

SNS広告:Facebook・Instagram・Threads

台湾向け広告の中心は、Metaの3つの媒体です。同じ広告管理画面から出せるので、効果に応じて予算を再調整しやすくなっています。

  • Facebook: 30代以上や家族向けの商材、地方の観光地など、幅広い層に届けたいとき
  • Instagram: 食、美容、景色など、写真の1枚で選ばれる商材
  • Threads: 文章で問いかけ、コメントのやり取りを広げたいとき

Threadsは、広告の仕様が変わってきている途中です。台湾での使い方は台湾のThreads広告で詳しく書いています。

SNSとは少し性質が違いますが、LINEも台湾ではほぼ全員が使う連絡手段です。広告を出すより、公式アカウントで友だちを集め、配信を続ける使い方が中心になります。

検索広告:Google

検索広告は、台湾の人が中国語(繁体字)で調べる言葉に合わせて表示する広告です。台湾の人がどのようなキーワードで検索するのか。さまざまな場面を想定して、キーワードを細かく設定します。

SNS広告の役割は「まだ知らない人に知ってもらう」こと。検索広告の役割は「もう探している人を取りこぼさない」ことです。

KOL(インフルエンサー)

KOLは、台湾で広告と並ぶ大きな柱です。「信頼できる人がすすめている」という形で届くので、旅行や食、美容では特に効きます。

交通広告:MRT・バス・タクシー

台北のMRTは、2025年は1日平均で約210万人(延べ)が利用しました。駅の構内、車内、ホームのモニターなどに広告を出せます。

出典:臺北大眾捷運股份有限公司「各年度暨前一月旅運量統計資料」(2025年の1日平均の搭乗人数。文湖線と高運量4路線の合計)

交通広告の強みは、同じ人に何度も見てもらえることです。SNS広告やKOLと時期を合わせると、「どこかで見た」という印象が重なり、覚えてもらいやすくなります。

ただし、MRTの広告はまとまった予算が必要です。バスやタクシーのほうが、比較的小さな予算から始められます。カケハシでは、MRTを含む交通広告の手配まで行っています。媒体の種類は台湾の交通広告まとめで紹介しています。

旅行のどの段階に届けるか

インバウンドの施策は、旅行者がいまどの段階にいるかで分けて考えます。

  1. 旅行の4か月以上前

    プレ旅マエ重要

    どこの国に行こうかを決めている

  2. 旅行の1〜3か月前

    旅マエ重要

    行き先が決まり、航空券やホテルを予約。具体的な計画を立てている

  3. 滞在中

    旅ナカ

    現地で店や行き先をその場で選んでいる

  4. 帰国後

    旅アト

    旅行を振り返り、もう一度行くかを考えている

多くの場合、インバウンドでいちばん大事なのは、プレ旅マエと旅マエです。

旅マエに入ると、計画はぐっと具体的になります。何を食べるか、どんな体験をするか、どの博物館に行くか。ここで初めて、店や施設の情報が意味を持ちます。

同じ「大阪のおいしい店の動画」でも、見せる相手の段階で反応は変わります。

プレ旅マエの人に見せると

まだ行き先を決めていないので、反応はあまり返ってきません。

ただし、この段階で見てもらうべき観光地や自治体もあります。

旅マエの人に見せると

大阪に行くと決めているので、興味関心度が変わります。行動が具体的になり、細かなスケジュールを決め始めます。

誰に何を届けるかは、タイミングが大事です。段階ごとに合う施策は変わり、実際にはいくつもの施策を、時期をずらして重ねていきます。

実際の施策の例

カケハシが手がけた台湾向けの施策を2つ紹介します(名前は伏せております)。

CASE 01

大手旅行会社

2026年|目的:台湾からの予約者を増やす

600万円

年間の予算

3

予約者数

行った施策

  • SNS運用 台湾向けの公式アカウントで、旅行商品と日本の旅先の情報を繁体字で発信
  • KOLのファムトリップ 台湾のKOLを日本に招いて実際に旅行してもらい、その体験を投稿してもらう
  • ウェブ広告 SNSやKOLの投稿で興味を持った人に配信し、予約ページや商品ページへ運ぶ
  • 台湾旅行展の出展サポート 企業ブランディングや認知度を高める施策も並行し、予約や申し込みにつなげる
  • 台湾メディアへの広告出稿 台湾のニュースサイトや旅行メディアに広告を載せ、ブランドの信頼を補う

ポイントSNSとKOLで知ってもらい、ウェブ広告とメディアで後押しし、旅行展で直接会って予約につなげる。1つの施策では届かない相手に、別の入り口から重ねて届けたことが結果につながりました。

CASE 02

沖縄のダイビングショップ

2015年から継続|目的:台湾からの予約を増やす

500万円

年間の予算

1,000組以上

繁忙期1か月の予約

1億円

年商

行った施策

  • Facebookページの運用 台湾向けページの企画と投稿、ファンを増やす運用
  • Facebook広告・Google広告 ページやLPへの集客と、予約につながる広告の改善
  • 繁体字ページの改善と運用 台湾の人に伝わる書き方への見直しと、日々の更新
  • 台湾向けの専用LP 繁体字への翻訳と、台湾のタレントを起用したLPの制作と撮影
  • ブロガーやYouTuberの招待 実際に体験してもらい、記事と動画で発信
  • 旅行予約(OTA)サイトへの登録 台湾の人が使う予約サイトへの掲載と運用の支援
  • 検索対策(SEO・MEO) 台湾向けのページと地図検索での見つかりやすさを改善
  • 受け入れ体制づくり 現地の台湾人スタッフの教育と、対応の流れの見直し

ポイント集客から現場の教育、予約の受け皿まで、オールインワンでサポート。広告だけでなく、予約を受ける側の体制まで一緒に整えたことが、伸び続けた理由です。

この記事が当てはまらない場合

  • 50万円未満で始めたい場合: カケハシではお受けしていません。媒体を1つに絞った小さなテスト配信なら、広告の管理画面から自社で始める方法もあります
  • BtoBの商材の場合: 企業の担当者に届けるなら、展示会や業界メディアのほうが向くことがあります
  • 台湾で販売の許認可が必要な商材の場合: 化粧品や健康食品などは、広告の表現に台湾の規制がかかります。出稿の前に確認が必要です

まとめ

台湾向け広告には、Facebook、Instagram、Threadsなどを中心に、たくさんの施策があります。

大事なのは、旅行のどの段階の人に、何を届けるか。ご依頼は50万円から、複数の施策を重ねるなら100万円からが目安です。条件を伺えば、最初の一手から一緒に組み立てます。