こんにちは!カケハシインターン生のたけしです。Art Taipei 2023が10月20日~23日に弊社のある台北貿易センタービル1階にて行われたので、その模様をお伝えします!

1. Art Taipei 台北国際芸術博覧会について

 Art Taipei(台北国際芸術博覧会)は今回がコロナ禍後初の開催となり、今年で30回目を迎えました。144団体が出展し、うち76団体は台湾、68団体は台湾国外11カ国、日本、韓国、中国/香港、シンガポール、インドネシア、タイ、ベトナム、イギリス、フランス、アメリカなどから合計144団体の出展がありました。40歳以下の台湾新人芸術家を支援するため、選考された8人の作品を展示する「Made In Taiwan-新人推薦特区」や、原住民の芸術家のための「原住民族芸術特区」などを設けるほか、美術界で活躍する人を招いた講演会、フォーラムなども開かれました。

 この芸術博覧会は台湾国内外の画廊とアーティスト、コレクター、メディアが互いに交流できる貴重なプラットフォームにもなっています。実際に会場を歩いていると、アーティストや画廊のスタッフ、コレクターなどが話していたり、名刺を交換したりする場面をよく見かけました。

オープニングセレモニーの様子 (写真提供=畫廊協會媒體)

 オープニングセレモニーでは、太極拳・太極剣の台湾代表として国際大会で金・銀メダルを獲得した「孫家閎」さんが迫力のあるパフォーマンスを披露していました。

孫家閎さんの太極拳・太極剣のパフォーマンス (写真提供=畫廊協會媒體)

 今回の博覧会全体を通して、台湾の芸術界全体を盛り上げようとする意志が感じられました。主催する中華民国画廊協会の張逸群理事長は「これからの30年で、東洋の芸術がさらに注目を集めていってほしい」と期待を寄せていました。

 この博覧会の最大の特徴はその場で展示されているものはほぼ販売されていて、買うことができるという点です。作品の横には作品名、作者名とともに値段も書いてあり、それぞれのブースには販売員の方々もいて、美術館や博物館で作品を見て回るというよりは、お店にいるような感覚でした。会場では平面立体問わず、大小様々なアート作品が展示・販売されていました。

2. Galarie OVO

 今回Art Taipei 2023に出展されていた台北のアートギャラリー「Galerie OVO」に取材を行うことができました。ギャラリーマネジャー兼キュレーターの黄俐寧(コウ・リニン)さんにお話を伺うと、今回の出展のテーマは人と自然、人とアートと言った間の「共存」をテーマにされていて、台湾、日本、中国、韓国、東南アジア、欧州などからアート作品を集めているそうです。

Galerie OVOのブースの様子

 

世界各国から作品が集められていますが、不思議とブース全体に統一感があります。

 今回の一番の目玉は台湾人アーティスト陳妍伊さんの蜜蝋でできたアート作品です。アーティスト自身の妊娠時の身体を型取り、それに合わせてミツバチが1年以上の歳月をかけて、蜜蝋で巣を作るという作品です。この作品も「人と自然との共存」がテーマとなっています。

台湾人アーティスト陳妍伊さんの蜜蝋でできたアート作品

人物名など
この作品は、特に目を惹き、私も印象に残っています!自然と電子の融合と、生命を感じました。

 他にもスペイン人アーティストKiko Miyares さんの木彫りの作品などもありました。一つの木から彫られたこの作品は、縮尺を引き伸ばしたように作られており、実物を見ると目が錯覚をおこして、頭がクラクラするような、何だが不思議な感覚になりました。

スペイン人アーティストKiko Miyares さんの木彫りの作品 写真の加工は全く行っていません!

3. 会場の様子

 東京銀座発のアートギャラリーTomura Leeの代表取締役・戸村力也さんにもお話を伺うことができました。Tomura Leeは近代~現代美術を中心に取り扱いながら、日本、韓国、中国、アメリカ、ヨーロッパ等様々な国のアーティストの展覧会を企画・開催しています。今回の台湾での博覧会出展は約10年ぶりとのことです。台湾人の特徴として、日本作家の作品が好きだとおっしゃってました。韓国やベトナム、タイなどでも出展することがあるが、海外の博覧会でも台湾ほど日本の出展が多いところはない、と話されていました。もう一つ、来場していた台湾人の特徴として、購買意欲が高く、もし気に入ったものがあれば買うつもりで会場に来ている人が多いと語られていました。

 その他にも多種多様な出展がありました。蔦屋書店の出展などもありました。「アートがある生活」を提案する企画集団、CCCアートラボが蔦屋書店ブースを初出展していました。アート作品集、アート関連の書籍に加えて、名和晃平、森洋史、天野タケル、中村萌、上野裕⼆郎など23名のアーティストの作品が約100点展示されていました。

CCCアートラボが出展する蔦屋書店のブース

 今年の会場には明石家さんま画廊も出展していました。日本テレビ「誰も知らない明石家さんま」の撮影のため、フットボールアワーの後藤輝基さん、Mattさん、板垣李光人さんなどが会場に来ていたようです!私は見ることができませんでしたが、後日台湾メディアが彼らの来台、来場を報じていました。同ブースには50歳でデビューし、明石家さんま画廊でも最高落札額450万円を記録した日本人アーティストの青山哲史さんなども来ていました。

人物名など
テレビで見たことのあるアーティストのかたが日本から沢山来られていました。現場で、展示会の期間中に作品を完成させるという企画も行われていて、制作過程を間近で拝見できる貴重な体験でした。

 

他にも芸術界で活躍する人を招いたライブトークイベントなども行われていました。取材に行った日は台湾師範大学の教授やアジア芸術新聞の総編集長、中華民国画廊協会秘書長などがゲストとして来られていました。

ライブトークイベントの様子

他にも、会場には数多くのアート作品が展示されていました。写真から少しでも雰囲気を感じていただければと思います。

会場の様子

絵画だけでなく立体的なアート作品も数多く展示されていました。

4. まとめ

 いかがでしたか?今回はArt Taipei 2023の様子を皆さんにお伝えしました。会場の雰囲気が少しでも皆さんに伝われば幸いです。コロナ禍後初の開催ということもあり、多くの来場者が訪れ会場にも活気のある様子でした。アートに興味がある皆さんはぜひ次回の開催に足を運んでみてはいかがでしょうか?