皆さんこんにちは、今年7月にCAKEHASHIに仲間入りしたゴヤです。
沖縄県出身で、前職は日中翻・通訳、ニュース編集などに携わっていました。趣味は音楽や楽器演奏、筋トレなど。
CAKEHASHIが専門とするインバウンド事業、インフルエンサー施策、広告・SNS運営代行については全くの素人でしたが、できる仕事から貢献しつつ、日々優しい先輩方からウェブ広告、マーケティングについてご指導いただいてます。
なんだかんだで、台湾に引っ越してから10年の節目を迎えました。本ブログを通して、今後台湾での就業・留学・生活を考えている人へのいち参考になればと思います。
華僑のルーツ、20歳で台湾へ
私は両親が台湾出身で、在日華僑の2世として生まれました。
日本語と中国語が飛び交う家庭で育ち、幼少期はそれが当たり前で、なにも特別なこととは認識していなかったのですが、成人を迎え、将来の方向性を模索していた時、華僑であるのにも関わらず、中国語がほとんど話せなかったことに違和感を覚え、自身のルーツである中国語の勉強を志し、台湾への言語留学を決意しました。この時の中国語はニーハオ(你好)、シェイシェイ(謝謝)レベルです。幼少期に夏休みを利用して台北の祖母を何度か訪れたことがあったぐらいでした。
※華僑は海外へ移住した中華系のことで、中国語が話せるとは限りません。台湾をルーツに持つ世界各国の華僑の子ども世代が中国語を学び直しに台湾へ戻るという事例は多々あります。
異文化と交流、吸収
訪台当初は台北市にある師範大学付属の言語センターに1年間中国語を学びました。日本人にとって中国語学習は、母語で漢字を使うため、読み書きが他国に比べ非常に有利です。一方で中国語は日本語にない発音をすること、日本人は外国語(例えば英語など)での会話経験がほぼないことがほとんどのため、会話がネックになることが多いです。華僑の場合、両親が中国語を話せる場合が多く、純日本人より比較的有利だったりします。言語学習は週5日、1日3時間のクラス以外に、言語交換、台湾ドラマ・バラエティ番組などが主要なリソースとなりました。
元々人見知りな気質だった私にとって、台湾留学は大きな変化でした。コミュニケーションの相手が、台湾人だけではなく、言語センターに通う世界各国からの留学生に広がり、知り得た文化の範囲が一気に拡大しました。英語が不得意だったので中国語を第2言語としてあらゆるバックグラウンドを有する人たちと交流する日々を過ごしました。日本での生活だけでは広がりにくい他国・地域の価値観、視点を吸収できた貴重な体験をしたと思います。
※言語センターは大学付属から民間によるものまでシステムは様々です。私が通った学校だと一学期3ヵ月で学費は2.1万〜3.9万元(9万〜17万円)でした。政府や民間団体から給付型の奨学金を受け取りながら通っている学生も多いです。
CAKEHASHIとの接点は学生時代に
言語センターのプログラム終了後、台北市にある師範大学の中国語学部に入学し、4年間の大学生活を経験しました。中国語をさらにブラッシュアップしたかったこと、最終学歴が専門学校だったこととが理由です。
大学生活中、大学生を中心として運営・執行するファッションショーイベント「キャンパスコレクション(キャンコレ)」が台湾に進出するため、学生のモデルを募集中だとの情報がありました。自分で言うのもなんですが私は人より手足が長く、身長も高い方なので、貴重な機会だと思い応募し、イベントへ出演することが叶いました。イベントに向けた数カ月のレッスンや、キャンコレを通じて友達ができたことでイベントには思入れができ、翌年にはイベント運営スタッフとして加わりました。CAKEHASHIは同イベントの台湾運営本部をしており、その時に面識ができました。当時特に交流する機会はなかったのですが、通訳やモデルとの連携サポートなどで関わっていました。
※台湾の学生はサークル、校外イベント・プログラムへの参加に非常に積極的です。自己実現のためのモチベーションが強く、自己主張ができる人も多い印象です。就職活動時にアピールできる実績になります。
日中バイリンガルへの道のり
この時にはまだ就職はしていません笑。大学卒業後、中国語が英語よりも上達したことに調子に乗った私は、そのまま大学院翻訳学科への進学を決めます。翻訳・通訳学科の入試は約500字の文章の翻訳と試験官の前でのサイトトランスレーション(渡された文を即興で語順通りに訳す技術)でした。
台湾の翻訳学科では日本語ネイティブの学生が少なく、日本人は学部内ではまるで日本語マスターのような存在になることができます。ただ簡単な日常会話程度ではわざわざ翻訳・通訳者を雇うということはありません。翻訳・通訳が必要になるのは何かの業界で必要となることがほとんどです。ただネイティブであるだけでは翻訳・通訳はままなりません。語彙や知識不足を痛感しました。
通訳・翻訳のトレーニング漬けの2年間で、バイリンガルと言えるまで中国語が磨かれたと思います。卒業するには論文が必須条件でしたが、同学部では卒業時期を延期して卒論を仕上げるという慣習がありました。当時の私は卒業を延期するほど経済的な余裕と自信がなく、休学・就職へシフトしました。台湾の大学・大学院では、教授らが就職先を紹介してくれることが多々ありました。幸い教授の紹介でニュースの翻訳・編集の仕事が見つけられることができました。
※留学生が学生ビザを持ちながら仕事をするには労働許可の申請が必要です。ですが休学して就職する場合、学生ビザが休学に伴い失効するので、台湾に滞在するには就労ビザの取得申請をサポートしてくれる就職先を見つける必要があります。
キャリア選択、PR・マーケティングに挑戦
就職してはや2年、台湾の経済、製造業など主力産業、社会について一通り知ることができました。今後のキャリアプランを考えていたころ、CAKEHASHIでウェブマーケティング業に挑戦する機会を得ました。。
日本観光庁の統計によると2023年4〜6月期の訪日外国人消費額のうち、国・地域別で台湾が1739億円と首位でした。伸び率はコロナ前の2019年比で23%上昇と、日本での台湾向けインバウンド事業は大きな商機を生んでいます。
CAKEHASHIは、台湾向けのインバウンド事業を強化したいがどうしたら良いかが分からないという日本の地方自治体、企業のニーズを満たす数々の施策と実績があります。
コロナが明け、経済活動の正常化とともに、業務内容は日々忙しくなっています。台湾人へのウェブ広告配信、クライアントのSNSファンサイト運営、ウェブメディアへの記事広告出稿、展示会出展、日本観光地へのファムトリップなどなど、新たな仕事環境ではこれまで経験のない業務に挑戦させていただいています。日中バイリンガルというスキルがクライアントや取引先とのコミュニケーションで生きており、語学を勉強してよかったと心から実感しています。お客様と台湾の架け橋になれるよう、日々奮闘中です。
※台湾ではキャリアップのための転職が一般的で、かつ若い世代ほど短期間での転職が多い傾向です。台湾の求職サイトyes123求職網が2022年に発表したレポートによると、企業の39%が新卒採用の離職までの平均期間は3カ月未満だったと明かしています。親日と称され、日本文化の流入にとても友好的な台湾ですが自分に合っていないと思うと、すぐに環境を変えるところは日本と少し違う価値観かもしれません。