台湾最大の旅行博「2025年ITF台北國際旅展」に潜入!日本ブースは過去最大規模

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台湾最大の旅行博「2025年ITF台北國際旅展」に潜入!今年の日本ブースが大盛況

台湾最大の旅行展「ITF台北國際旅展」が、11月7日から10日まで台北南港展覧館で開催されました。
天候にも恵まれ、開幕前から入場を待つ客の列ができており、主催者発表によると、来場者は計36万5302人で、前年比0.2%増加。昨年に引き続き旅行市場に活況を示した4日間でした。
台北夜景

1.ITFとはどのようなイベントなのか?

台湾国内ブースの様子

「ITF台北國際旅展」とは、台湾観光協会が主催し、毎年台北南港展覧館で開催される台湾で最大規模の旅行展示会イベントです。
会場では、台湾国内外の旅行先、ホテル、鉄道、航空会社、レストラン、さらにはお土産に関する情報を直接得ることができます。海外エリアでは、航空会社や旅行会社のブースのほか、日本や韓国を始めとする海外からの出展が目立ちます。特売のツアーや航空券を買い求める人や、何か目新しいものに興味がある人、ブースが配布している特典やギフトが欲しい人などが訪れます。
今年は過去最多の海外123ヵ国・都市が出展。うち日本エリアは207の地方自治体・民間が200ブース以上を出展しており、国別で出展数と面積が過去最大規模となり、日本が台湾市場を重視する姿勢がうかがえます。

2.過去最大規模の出展でにぎわった日本館

【JR東日本グループ】
JR東日本グループのブースでは、来場者の参加意欲を高める工夫が随所に見られ、多くの集客できていました。ブース内ではJR東日本に関するクイズ大会が開催され、足を止めて参加する客が多く見られ、終始賑わいを見せていました。

このほか、東京駅周辺の商業施設「グランスタ東京」も出展しており、ガラガラ抽選による景品プレゼント企画を実施。台湾人消費者の関心を強く引きつけることに成功していました。体験型コンテンツと“当たる楽しさ”を組み合わせることで、集客の導線づくりと高い訴求力を実現していました。


【日本観光復興協会】
日本観光復興協会のブースでは、主に中部地方の観光地やレジャー施設の魅力を紹介するパンフレットを配布していました。

特に岐阜県や長野県など、台湾との直行便のある名古屋からアクセスしやすい観光地を積極的にPRし、誘客に取り組んでいました。スキー場や温泉施設、ホテルの割引券を配布したり、台湾人にも人気の「飛騨牛」のレストランのPRも行われ、食を通じた地域の魅力発信にも力を入れていました。


【阪神グループ】
阪神グループのブースでは、甲子園歴史館や六甲山スノーパーク、日本酒「灘五郷」が楽しめる今津駅・西宮駅周辺の観光スポットの紹介や宣伝が行われていました。阪神甲子園歴史館の入場券と阪神電車1日乗車券をセットで販売しており、旅行客に阪神電車を使ってさまざまな場所を訪れてもらうような工夫がされていました。

イベント期間中に阪神甲子園歴史館の入場券を購入した方には、数量限定の阪神タイガースのユニフォームをプレゼントしており、ユニフォームが欲しいお客さんによって連日問い合わせが殺到していました。入場券を持って実際に甲子園歴史館を訪れると、オリジナルキャップと引き換えができる仕組みで、来場率向上にも取り組んでいました。


【北海道グループ】
日本館の札幌市ブースでは、来場者に「行きたい場所」を投票してもらうアンケートを実施。投票で1位に選ばれたスポットには、今後50%オフで販売する企画で、来場者の興味を引きつけつつ、将来的な誘客施策を実施していました。

この施策の狙いは、札幌市だけでなく北海道全体の観光に目を向けてもらうことです。たとえば、4泊程度で北海道を周遊し、複数の地域を訪れてもらうことで、旅行全体の消費額や滞在日数の増加を期待できます。来場者が自ら参加して「行きたい場所」を選ぶことで、自然と旅行への意欲を高めるという戦略で、北海道全体のPRを図っていました。
画像の説明

【Calbee】
Calbeeのブースでは、来場者の関心を引きつけるためのユニークな施策が展開されていました。まず、人気のお土産商品に関するアンケートを実施し、来場者が「どの商品をお土産にしたいか」を選ぶことで、消費者の嗜好をリアルタイムで把握すると同時に、来場者自身も商品への関心を深める工夫がされていました。
また、特定の時間帯に設定された試食タイムは人気で、30分限定の試食キャンペーンは、限定感がスパイスとなり、来場者の注目を浴びる仕組みになっていました。


 

【近鉄グループ】
近鉄グループのブースでは、来場者にパンフレットや割引券を配布することで、関西エリアへの旅行意欲を高め、集客拡大につなげる取り組みが行われていました。特に、ITF限定で割引販売されていた「5日間関西周遊チケット(5日券)」は、短期間で効率的に関西を旅行できるというメリットがあり、来場者の関心を強く引きつけていました。

また、ブースではエンターテインメント要素が非常に充実していたことが特徴的です。人気Vtuberの「周央珊瑚」とのコラボレーションや、あべのハルカス展望台「ハルカス300」のキャラクター「あべのベあ」の登場など、来場者が思わず立ち止まりたくなる施策が展開されていました。


3.台湾国内ブース・各ブースが実施した集客施策

ITFでは、海外ブースだけではなく、台湾国内の観光地や特産品を紹介する国内ブースも充実した内容になっています。台北、台中、台南、高雄といった主要都市から、金門、緑島、澎湖などの離島の観光局や地元企業が出展し、それぞれの地域の魅力や観光スポット、季節に合わせた観光プランを発信していました。

台湾国内ブースでは、台湾国内のホテルやリゾート施設が多数参加しており、ITF限定の宿泊券やレストラン食事券を販売し、多くの来場者で賑わっていました。


例えばホテル事業などを展開している「漢來大飯店」は、傘下の「台北漢來大飯店」の朝食ビュッフェ付きのデラックスルームが34%割引の5,888元で販売したり、「高雄漢來大飯店」は1日100組限定で、デラックスルーム1泊の宿泊券(1枚3488元)を5枚セットで販売したりと。特売セールを実施していました。

空港や観光地で免税店・お土産販売を展開する「Everrich(昇恆昌)」のブースでは、来場者が楽しみながら参加できる仕掛けが多数用意されていました。特に目を引いていたのは、タッチパネルを使った抽選イベント。多くの人が列をつくるほど人気で、Everrichの会員になると誰でも参加できます。抽選では iPhone 17、ブランドバッグ、ホテル宿泊券 など、豪華賞品が当たるチャンスもあり、思わず足を止めてしまう内容でした。豪華賞品や会員限定の特典を前面に出すことで、新規会員登録を効果的に促す施策になっていたと感じます


 

また、旅行会社の「Kkday」のブースでは、ITFの約2週間前からオンライン上で割引セールを展開し、早い段階から消費者の需要を取り込んでいました。「九州・由布院日帰りツアー」や「バンコク日帰りツアー」など人気の海外・国内ツアーをはじめ、全世界で利用できる旅行用SIMカードを1元の数量限定価格で販売するなど、魅力的な商品ラインナップが多くの注目を集めていました。特に会場で目立っていたのは、Kkdayアプリと連動した抽選企画です。賞品は割引航空券で、多くの来場者が興味を持って参加していました。イベントをきっかけにアプリの新規ダウンロード数を増やし、今後のリピート利用につなげたいという狙いがありました。


4.日本クライアントの出展、話題醸成、ウェブマーケティング施策のサポートも

今年もカケハシは、日本からITF出展のために訪台した、某地方自治体や商業施設のお手伝いをさせていただきました。ブースの設計や施工業者の手配、パンフレットのデザインや印刷物の納品、SNSでのブース宣伝などを行いました。

運送会社の手配を代行

ブース施工会社の監督をしました

このほか、カケハシがお手伝いできること
・SNSを活用し、アクティブユーザーを巻き込んだ出展情報の拡散
・有力ウェブメディアへの記事出稿
・KOLを起用したブースの宣伝
・パンフレット、ディスプレイ、ノベルティ、Wi-Fiルーターなど備品の手配
・ブースのデザイン、施工業者の手配、イベント期間の後方支援 (※応相談)
・自社ニュースメディア、台北経済新聞による取材・報道

ITFは毎年開催され、日本のインバウンド市場でも非常に重視されるイベントです。2026年はイベント名を「ITF台湾国際旅展」へと改め、11月6~9日に同じ南港展覧館で開催予定です。

「来年のITFに出展が決まったが、プロモーションをどうしようか」「パンフレットの作成や受け取りをお願いできる現地企業はないか」「日本語でアドバイスしてほしい」など、ささいなニーズでもぜひカケハシへお気軽にお問い合わせください。

弊社が運営する在台日本語ニュースメディア「台北経済新聞」でもITFの様子を発信しています。『台北で台湾最大旅行博「ITF」日本から過去最多200ブース超出展』

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