こんにちは!カケハシでインターン中のSakuraです。
今回は、6月19日(水)~22日(土)に台北世界貿易センター世賀1館、南港展覧館1館2館で行われたHALAL TAIWANに行ってきました。
本日はその展示会の様子や台湾・世界でのハラル事情について書いていきたいと思います。
【展示会の入場料】
・一般チケット…300台湾ドル
19日~21日は事前登録した食品関連業者と海外からのVISITORのみ入場可能で、一般参加者は22日のみ参加できました。
【目次】
・ハラル、ベジタリアンってなに?
・世界のハラル、ベジタリアン
・台湾でのハラル、ベジタリアン事情
・ハラルとインバウンド観光
・展示会の様子
・まとめ&感想
ハラル、ベジタリアンってなに?
世界にはベジタリアン、ビーガン、ハラルなど様々な言葉があります。私もはっきりと違いがわかっていなかったので今回調べてみました。
ハラル(halal)とは
イスラム法で合法であるとされるものや行為。「(神に)許されている」という意味のアラビア語でハラールともいう。特に,ムスリムが食べることを許される食品をさす。イスラム教ではコーランに基づき,豚肉やお酒を含むアルコールなどを口にすることは禁じられている。食品がハラルか否かの検証は各国に設置された認証機関が行なっており,原材料から調理過程にいたるまで厳密な審査の結果,合格した食品には認証書などが発行される。認証基準は国や地域・機関によって異なる。ハラルと認定された食品はハラル食品やハラルフードなどと呼ばれる。 (出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)
ベジタリアン(vegetarian)とは「菜食主義者」のことで、ベジタリアンの中でも下記のように食物の制限する幅によって種類が分かれています。
・ビーガン(植物性食品のみを食べる)
・ラクト・ベジタリアン(植物性食品と乳製品は食べる)
・ラクト・オボ・ベジタリアン(植物性食品と乳製品、卵は食べる)
・ペスコ・ベジタリアン(植物性食品と魚、卵、乳製品は食べる)
つまりベジタリアンが菜食主義者の総称で、ビーガンはベジタリアンの中でも卵や乳製品、はちみつ等も食べない「完全菜食主義者」を指す言葉ということです。
ハラルはイスラム教を信仰する人の宗教による考え方ですが、ベジタリアン・ビーガンは健康のためや自身の考え方、環境のため、宗教的理由など菜食主義である理由は様々です。
世界のハラル、ベジタリアン
続いて世界のベジタリアン、ハラル事情についてです。
世界全体のベジタリアン人口は、約3.8億人と言われています。地域別でみると、インドが一番ベジタリアン人口が多く、全インド人口の28.5%がベジタリアン。
健康への配慮でベジタリアン人口が急増しているアメリカでは5%がベジタリアンです。
また世界には約18億人ものイスラム教徒がいると言われています。つまり世界中でおよそ4人に1人はイスラム教徒ということです。
イスラム教徒の多い国も、中東やアジア、アフリカに多く、これから世界的に人口が増加する地域であるので、ムスリム関連、ハラルが生み出す経済効果に様々な業界から注目が集まっています。
台湾でのハラル、ベジタリアン事情
中国語でベジタリアンフードは「素食」、オーガニックは「有機」です。街を歩いていると、このような中国語が含まれた看板を頻繁に見つけることができます。
素食料理専門の食べ放題店もあります!台湾には健康上や宗教上、自身のポリシーなどの理由により、ベジタリアンが全人口の約10~13%いるといわれています。
また台湾にいるムスリムは約25万人と言われており、在日のムスリム10数万人よりも圧倒的に多くのムスリムの方が暮らしています。
台湾人のムスリムは少ないですが、インドネシアやマレーシアからのイスラム教徒が多く、台北にも清真寺(台北モスク)があります。毎週金曜日の礼拝には約1000人のイスラム教徒が集まるそうです。そのため、日本よりムスリムの方への配慮や対応が進んでいます。
台湾のハラール認証機関である台湾清真産業品質保証推広協会(THIDA)によると、台湾企業が取得したハラール認証は更新手続き中を含み、合計580件にのぼっています(2017年12月)。
ハラルとインバウンド観光
ハラルではない食べ物を「ハラムフード」といいます。
ハラルフードであるためには、単にハラルの食べ物であればいいわけではなく、ハラムフードに関わる全ての食品や製造行程を除外しなければいけません。
つまり、豚を配合されている餌を食べた牛や羊はNG、豚を運んだトラックに乗せた食べ物や豚を調理した道具を使った食べ物はNGなど、食品がハラルであるかの判断は見た目だけではわかりずらいので、製造工程から全てハラルであるという食品の証明のために「ハラル認証」がつけられます。このハラル認証はまだ国際的な統一がなされていないので、国家間でその厳格さに違いがあります。またムスリムによって(宗派や地域の違いなど)も考え方や、ハラルの厳しさは異なります。
そんな中、日本でも近年、外国人旅行者や在住者が増えたので、ハラル専用レストランが増えており、インバウンドの観点でも、ハラルやベジタリアンは注目されています。日本の蕎麦やうどんはムスリム・ベジタリアンの人も食べられるので、それらを求めて訪れる人もいるようです。
ハラル認証を取得することで、ムスリムの方が安心して利用できるようになるので、ムスリムのインバウンド観光を考える際はハラル認証が重要な役割を果たします。2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、さらなる増加が期待されるイスラム圏からの旅行客に向け、ハラル認証を受けた飲食店やハラルフードを取り扱う店舗の充足が必要となっています。
展示会の様子
HALAL TAIWAN世賀1館には75店舗(125社)が出店しており、そのほとんどが食品でした。
各ブースには試食を置いてあるところが多かったので、私も試食させていただきました。
私はハラルやベジタリアンの方が食べるご飯は野菜中心のかなり質素な味のイメージを持っていましたが、試食したものはとても美味しく、お肉を使っていないのにお肉のような味がして本当に驚きました。見た目も味もお肉そのものでした。
Vegetarian Life蓮廚はベジタリアン向けにお肉を一切使っていない食品を販売しています。
写真のように見た目はお肉を使っているように見えますが、実勢には大豆ミート(大豆を肉のように加工したもの)や豆腐などを使って本物の肉のような食感と味付けをしています。商品は、お肉の風味がするふりかけ、真空パックや冷凍食品のおかず類、火鍋用の肉団子など非常にバラエティーに富んでいます。
今日本で流行りのタピオカもHALALのブースにいくつか出展されていました。ハラル認証されたタピオカ店ならムスリムの方でも安心して飲むことができます。
まとめ&感想
いかがでしたでしょうか。
今回はHALAL TAIWAN展示会の様子について、世界・台湾・日本のハラル、ベジタリアン事情についてお伝えしました。
私も実際に展示会を訪れ、この記事を書くまで知らなかったことが沢山あったので非常に興味深かったです。特にこれから東京五輪を迎え、世界各国の方が訪れる日本では、イスラム教を信仰するムスリムの方への対応が急務だと感じました。