これさえ読めば訪日外国人観光客の集客インバウンドについてすべて分かる!

昨年過去最高を更新した訪日外国人

訪日

2015年 訪日外国人数

2015年の訪日外客数は前年比47.1%増の1941万7千人となり、これは統計を取り始めた1964年以降最大の伸び率となりました。また過去最高であった2014年の1341万3千人を600万人余り上回り、1970年以来45年ぶりに訪日外客数が出国日本人数を上回りました。

また政府は、東京五輪・パラリンピックが開催される2020(平成32)年の年間訪日外国人観光客数の新たな目標を4000万人台に引き上げました。アベノミクス成長戦略では「観光産業」の発展を中核に掲げており、政府は訪日外客誘致に積極姿勢をみせています。

2016年も訪日外国人数は1月に前年同月比52.0%増の185万2千人。2月は前年同月比36.4増の189 万1千人となっており、もしかすると今年中に2500万人を突破する可能性も考えられます。

今最も注目度の高いインバウンドビジネス。新聞や雑誌でも度々目にするのではないでしょうか。しかし「どのように集客をすればよいかわからない」「ターゲットは誰にすればよいか」「誰に相談すれば」などと言った声は実はとても多いのです。

そのようなインバウンドビジネス初心者の方々にわかりやすくご解説致します。

外国人観光客がなぜ増えているのか?要因は?

2015年に過去最高となった訪日外国人。でもいったいなぜ今になって日本に訪れる外国人が増えているのか、インバウンドビジネスに注目が集まっているのか。意外と知らない方も多いのではないかと思います。

今までは2つの要因で日本のインバウンドビジネスが遅れていたと考えられます。一つは海外旅行が日本人の間で流行したこと。もう一つは日本の観光産業が国内市場に重点を置いたことです。このように裕福で比較的接客のしやすい日本人を相手に商売をするようになり、次第に日本のインバウンドビジネスは世界から後れをとるようになりました。

ではなぜ今になって外国人観光客が増えているのか。実は自然と外国人観光客が増えたわけではありません。以下は外国人観光客がなぜ増えているのか要因をまとめました。

訪日外国人数増加要因

訪日外国人数増加要因

※引用 日本政府観光局

以上が考えられる要因です。どの項目を見ても「個人・会社ではどうにもならない要因」のように感じてしまいます。しかし、お気づきの方もいらっしゃると思いますが④訪日旅行プロモーションによる訪日旅行需要の拡大については「個人・会社」でも唯一、集客に繋げられる方法です。

京都や北海道などの今では外国人観光客に人気のある日本の地方都市の観光地。これらの地方観光都市は決して自然と人気都市となったわけではありません。地道な努力の結果今があるのです。

つまり要因④これまでの継続的な訪日旅行プロモーションによる訪日旅行需要の拡大の効果が結果に表れてきたと考えるのが適切ではないかと考えられます。

外国人旅行消費額は年間で初めて3兆円を突破!

旅行消費額と訪日外国人旅行者数の推移

旅行消費額と訪日外国人旅行者数の推移

2015年は外国人旅行客の「爆買い」という言葉が世間にも浸透しました。平成27年の訪日外国人旅行消費額(速報)は3兆4771億円となり、年間値で初めて3兆円を突破。前年(2兆278億円)に比べ71.5%増と日本経済にとっても大きな影響をもたらしました。実はこのインバウンド消費は、たばこの3.8兆円、酒類の3.6兆円に迫る勢いとなっています。

日本政府は2020年までの訪日外国人数の目標を当初の2000万人目標から4000万人に目標を引き上げており、今政府としても期待をしている経済対策の一つとも言えます。また訪日外国人旅行者の1人当たり旅行支出は17万6168円(前年比16.5%増)となっています。

訪日外国人観光客が日本で消費してくれる。これからのアジア全体の人口増加や経済成長を鑑みるとインバウンドビジネスの成長余地はまだまだ計り知れません。

どれだけ消費が伸びている?

1人あたりの旅行支出の推移

1人あたりの旅行支出の推移

※引用 日本政府観光局

平成27年(2015年)暦年の訪日外国人1人当たり旅行支出(速報)は17万6168円であり、前年(15万1174円)に比べ16.5増加。

1人当たり旅行支出が他の国籍・地域に比べて高い中国からの訪日外国人旅行者数が2倍以上に増加(前年同期比107.3%増)したことが、平成27年の1人当たり旅行支出の主な増加要因と言われています。なお、中国の1人当たり旅行支出も前年に比べ22.5%増加しています。

日本で何にお金を使っているのか?

旅行消費額の費目別構成比

旅行消費額の費目別構成比

※引用 日本政府観光局

費目別に旅行消費額をみると、買物代の構成比(41.8%)が前年(35.2%)に比べ拡大しています。

国籍・地域別に費目別旅行消費額をみると、中国の買物代が8089億円と突出して高く、次いで台湾が2000億円、香港が1000億円を超えています。

買い物好き?アジア人旅行客の旅行支出の特徴

国籍・地域別にみる訪日外国人1人当たりの費目別旅行支出

国籍・地域別にみる訪日外国人1人当たりの費目別旅行支出

※引用 日本政府観光局

訪日外国人1人当たり旅行支出を費目別にみると、買物代が7万3663円と最も高く、次いで宿泊料金(4万5465円)、飲食費(3万2528円)の順で支出しています。

国籍・地域別にみると、買物代は中国で16万1974円と突出して高く、次いでベトナムと香港で7万円台と高くなっています。しかし宿泊料金は英国で最も高く9万7221円、次いでオーストラリアで9万1176円となっています。つまりアジア諸国は買物代が最も高い国が多いのに対し、欧米豪諸国は宿泊料金が最も高い国が多いのです。

これは、アジア諸国は比較的短期間の滞在で買い物を目的として来訪する旅行者が多く、欧米豪諸国は、比較的長期間の滞在で日本の歴史・伝統文化体験などを目的として来訪する旅行者が多いためと考えられます。

後半では最も買物代に消費するアジア人にはどのような特徴があるのか、現在訪日外国人観光客の約7割を占めるアジアから、上位5か国の特徴を紹介します。