訪日台湾人向けガイドブックが台湾インバウンドの鍵となる?
先日、興味深いニュースを発見しました。日本政府観光局が「2018年4月の訪日外国人客数は前年同月比12.5%増の290万1000人となった」と発表したようです。外国人観光客が年々増加している日本。日本政府観光局(JNTO)が2018年に発表したデータによると、2017年の訪日観光客数のうち、アジアが84.8%を占めています。
そしてその約52%が中華圏(台湾・中国・香港・マレーシア・シンガポール)からの訪日観光客で、外国人観光客の半数以上が中華圏のお客様だということ。私の故郷・沖縄でも中華圏の訪日観光客を多く見かけます。
地元の日本人しか知らないはずの飲食店で外国人観光客を見かけたときは、「どうやってここ調べたの!?」と驚いたことも。。。そこでふと疑問に思うのが、「どうやってそれらの情報を調べているのでしょうか」様々な”旅マエ”の接触メディアがある中で、台湾集客においての面白いデータを公開します。
訪日台湾人観光客の情報源は「ブロガー×ガイドブック」!?
JIMCが2016年台北国際旅行博にて実施したアンケートによると、日本旅行の旅先を決める情報源として、32%が旅行ガイドブック・旅行雑誌を情報源とすると回答しました。我々は主にインターネットを使ったインバウンド集客が得意ですので、この情報を知った時には驚きましたが、インターネットが浸透した現在でも、紙媒体の情報誌は「インバウンド集客においては」根強い人気がある事が分かります。なぜ「インバウンド集客においては」と記載したかは以下が理由です。
- 異国の地に足を踏み入れるのだから、何かあった時のためにやはりガイドブックは安心。
- 地図が付いていて使いやすい。
- 自由時間の時にどこに行けばいいか悩む事が無い
- ネットの情報は便利だが、充電が切れたり、wifiが繋がらない場所では無意味。
- 旅行前や、飛行機の中でじっくり読めるため、旅ならではのワクワク感を感じる事ができる
紙媒体の全体の市場としては低迷しているものの、このように「インバウンド集客」という視点から見ると、ガイドブックにはネット施策と違ったメリットがあるわけです。よってカケハシでも、ネット施策に加えて紙媒体の情報誌(特にガイドブック)に関しては連動性を持ってお客様にオススメしております。
また、2番目に多かったのはブログを情報源とするという回答で、こちらが全体の18%を占めました。どうやら多くの訪日台湾人観光客はブログとガイドブックを参考にしながら「どこに行くのか?」「何を食べるのか?」「何を買うのか?」など旅行プランをじっくり立てる方が多いようです。一見正反対のように見える旅行ガイドブック・雑誌(紙媒体)と、ブログ(ネット媒体)ですが、この二つを上手く組み合わせることが有効なのです。いわば空中戦×地上戦ですね。
「ブロガー×ガイドブック」のMIX効果でアプローチ!
人口の8割以上がFACEBOOKを利用している言われている台湾。過去にはFACEBOOKアクティブ率で世界一になった事も。facebook大国・台湾では、ブロガーの影響力もかなり強いです。その中でもトップブロガーと言われるブロガーの影響力は大きく、彼らが発信する情報を大手メディアがニュースとして取り上げたり、TVでブロガーさん達が様々なトークテーマでディスカッションすることも台湾ではよくあります。
まるで日本で言うところのバラエティ番組のひな壇芸人さん達のような光景ですね。笑
台湾人ブロガーは旅行やコスメ、育児などジャンルごとに棲み分けが明確にされているのが特徴です。日本の旅行やコスメに特化した人気ブロガーも存在します。
ブロガーを活用したプロモーションについてはこちらをご覧ください→
台湾ではFacebookで約90万人以上のファンを持つ日本旅行専門ブロガーも存在します。
台湾の旅行系出版社の特徴とは
人気のガイドブック紹介の前に、台湾の出版社の特徴をまとめましたのでご紹介します。国が違えば文化が違うのと同じように、台湾の出版社と日本の出版社でも異なる部分があります。台湾の出版社は日本の出版社と違い、書店に置かれている在庫状況に合わせて、増刷のタイミングや年間スケジュールが変わることが一般的です。
増刷の日程は、2~3週間前に決定します。翌年の年間スケジュールは11、12月頃に決まります。詳しい情報はこちらまでお問合せください→
それではブロガーさん達も稀にタイアップされるガイドブックや旅行雑誌の中でも人気シリーズを一部紹介します。
台湾で最も歴史が長い訪日台湾人向けガイドブック「完全制覇シリーズ」
台湾でも多くの旅行雑誌やガイドブックが存在しますが、その中でもトップクラスの人気を誇るのがコチラ。
「攻略完全制覇シリーズ」です。1998年に創刊以来、2009年までに50カ国以上、200冊発行され総売上部数は1000万冊を突破!現在では中国語旅行出版書のトップブランドであり、その販売国は台湾だけに留まらず、香港、シンガポール、マレーシア、中国にまで及びます。日本の場合は、北は北海道から南は沖縄まで地域に分けてガイドブックを出版しています。まさに「中華圏の地球の歩き方」と言っていいでしょう。※この出版社では「地球の歩き方」の中国語版も販売されています。
では、そんな完全制覇シリーズの中身を見ていきましょう。
完全制覇シリーズの特徴はずばり、各地の定番スポットから、最新人気スポットまでを分かりやすく紹介していることです。その他にもショッピングやグルメ情報、宿泊施設情報などが分かりやすくまとめられています。必要な情報がすべて詰め込まれた実用的なガイドブックです。こちらは約1年に1度のペースで新刊を出版します。(初回発行部数6万部)また、人気のシリーズということもあり、すぐに品切れ状態になり、かなりの数が増刷されるのも特徴です。ちなみに「京阪神完全制覇」のは、2年間の間で十数回ほど増刷がされたこともあります。
お得な情報や豆知識が書かれた、新しいタイプのガイドブック「City Targetシリーズ」
2017年から発売されているCity Targetシリーズでは、各地域の絶対に外すことのできないスポットが掲載されているだけでなく、その場所に関連した豆知識やお得な情報などが紹介されています。2018年には東京版、北海道版、京阪神版が発売されます。
2018年度西日本エリア下半期販売スケジュールはこちら→
2018年度東日本エリア下半期販売スケジュールはこちら→
中華圏訪日客の獲得をお考えの方は、こちらの旅行ガイドブックに掲載するのも一つの有効な方法です。
その他の旅行雑誌
上記でご紹介した「完全制覇シリーズ」「City Targetシリーズ」の他に、MOOK出版社で発売されている旅行雑誌をご紹介します。
「TRAVELER LUXE 旅人誌」
MOOK出版社が販売している、月刊旅行雑誌「TRAVELER LUXE 旅人誌」は、その名の通り、読者に向けてワンランク上のラグジュアリーな旅を提案する旅行雑誌です。30~39歳の男女を中心に人気があります。毎月80,000部が発行されており、各書店・大型スーパーなどで販売されています。航空会社のラウンジ、スターバックス、5つ星ホテルなどの場所にも置かれています。
この旅行雑誌では、毎月読者に向けて、テーマに沿った旅行プランが提案されています。掲載されている内容は、編集部が実際にその場所を訪れて取材したものです。そのため、書かれている内容や写真はこの雑誌でしか見ることのできないのが特徴です。
「TRAVELER Luxe」には公式ホームページや、facebook、instagram、LINE@もあり、公式ホームページの月間PV数は約30万に及びます。
訪日観光客を獲得する秘訣は「ブロガー×訪日台湾人向けガイドブック」
少し余談ではありますが、台湾で日常を過ごしているとブログを身近に感じる瞬間が多々あります。例えば台湾人の友人と食事をする時、レストランの場所を決める際に「ここはどう?」とお店の情報を送ってくれますが、彼女たちが私に送ってくれるリンク先はいつもブログ記事なんですよね。台湾のブログ記事は日本よりも細かく詳細に書かれるので、「取扱説明書」的な役割を担っている部分もあります。
レストランに限らず、何かを購入する際など、まずはブログ(レビュー)から情報を得て意思決定の参考の一つとする。そんなブログとSNS(特にFacebook)が欠かせない台湾。台湾人に限らず、中華圏の人達は広告に敏感です。世の中には、テレビや新聞、雑誌、街頭などにたくさんの広告が存在しますが、基本的にマスを信用しない傾向にあります。その為、消費者と距離も立場も近いブロガーの方々に信頼が寄っていったのかもしれません。
そんな影響力の高いブロガーとは一見対称的に見える紙モノのガイドブックですが、実は割と親和性が高い組み合わせ手段でして、旅マエで効果を発揮する以外にも、旅ナカで効果も発揮できます。飛行機の中や宿泊先のホテルなどでもよく読まれるため、合計接触時間が長いのも特徴です。我々日本人が海外旅行に行く時もそうですが、ガイドブックって安心感があるんですよね。紙は紙なりの良さがあるわけですね。
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