台湾最大規模の旅行博「ITF台北国際旅展」が11月3〜6日に台北市南港展覧館一館(南港区経貿二路1号)で開かれました。コロナ明け初の開催となり、ITFによると4日間の来場者は延べ34万6498人となり、前年同期から77.4%増加。コロナ前の2019年の9割にまで回復。台湾人の旅行熱が衰えることを知りません。
日本クライアントのウェブマーケティング施策、話題醸成、出展のフォローも
今回カケハシは日本からITFのため訪台した、平素より弊社ウェブマーケティング施策のサービスをご利用いただいている、某地方自治体と某商業施設のお手伝いをさせていただきました。台湾現地のブース施工業者との連携や、ブースパネルやパンフレット印刷の手配、必要備品の調達などを手掛けたり、ブース設営日には弊社スタッフが会場入りして不備がないかダブルチェックし、不測なトラブルにも柔軟に対応可能です。
またフェイスブックなどSNSを活用した周知拡大で、出展前からの話題醸成をサポートいたしました。アクティブなファンユーザーを巻き込んでポジティブなコメントやリアクションを引き出し、初日からクライアントの商品への問い合わせが殺到しました。イベント期間中には弊社が運営する月間PV数2〜3万のニュースメディア「台北経済新聞」で、特別に取材・報道をさせていただいたほか、実際に同商業施設へのファムトリップ案件で提携したYoutuberをお誘いしてブースにまできてもらい、SNSにもシェアしてもらいました。クライアントが用意した商品は完売御礼。大盛況を記録しました。
台北経済新聞の記事:台湾最大規模の旅行展「ITF台北国際旅展」開幕
カケハシがお手伝いできること
- SNSを活用し、アクティブユーザーを巻き込んだ出展情報の拡散
- 有力なウェブメディアへの記事広告出稿
- イベント期間中、KOLを起用した話題醸成
- 自社ニュースメディア、台北経済新聞による取材・報道
- フライヤー、ディスプレイなど備品の手配
- ブースやバックパネルのデザイン ※
- ブース施工業者との連携、設営当日のフォロー ※
※部分は応相談
上記以外でも、お気軽にお問い合わせください。
コロナ明け初のITF、年末商戦にらむ、日本エリアが最大
「コロナが明けた今、台湾人をターゲットにしたインバウンド事業を強化したい」「来年はぜひ出展したい」とお考えの方に、今年のITFの様子をお届けします。台湾に現地法人を有する弊社から見た、リアルなITFの状況をお伝えます。
ITFは1987年に第1回が開かれて、今年が31回目となります。春の台北国際春季旅行博(STF)、夏の台北国際観光博覧会(TTE)と並んで台湾三大旅行博に数えられ、うちITFの開催規模が最大で、毎年11月ごろに開催しています。台湾人の多くが海外・国内旅行に出かける春節(旧正月)シーズンなど年末商戦をにらみ、世界各国から業者・団体が参加し、消費者の需要取り込みに動きます。
ITFの発表によると今年は世界104カ国・地域から計1300ブースが出展しました。国・地域別でみると日本エリアは地方自治体、観光施設、交通系企業など60ブース以上が集結し、場内で最大規模の面積を占めました。訪日外国人旅客で韓国に次いで2位を占めた台湾市場に対する真剣度や、台湾人の日本好きの表れといえます。
実際にどんな業者が出展していたかというと、北海道から沖縄まで各地方自治体の名前を冠したブースや、星野リゾートなどホテル、東京スカイツリー、よみうりランド、東京駅一番街、ルミネなど観光商業施設、JALや空港、JRや近鉄など鉄道会社、観光バス、酒造会社なども見られました。イベント開催期間中日本エリアは来場者でまさにすし詰め状態、大盛りあがりでした。
余談ですが、今年のITFのブース費用は1区画(3m4方)で9万5000元(約44万円)、早割り8万5000元となっています。実際ブース費用以外にパネルなど施工費、備品代、広告費などがかかりますので、諸々込みで数百万円以上となります。日本エリアでは2〜3区画を複数の業者で共同出展しているブースも見られました。ホテルや旅行業界大手は6区画以上を押さえているといった印象です。
日本商品の底堅い人気、年末〜旧正月の旅行準備
さて、台湾国内からの主要な出展者は旅行会社、ホテル、航空会社、政府機関などです。来場者の大半はITF限定で販売される格安の海外・国内ツアーや、FIT向けのホテル宿泊付き航空券などが目当てです。会場内には個人客が多いですが、法人のインセンティブ旅行などを目当てに来ているお客も少なくありません。
ITFの発表によると、初日から旅行最大手の雄獅旅遊(ライオントラベル)では1回の消費額が100万元(460万円)に上る大口購入がでました。ライオントラベルによると、初日売上はコロナ前の2019年の初日を2割上回りました。コロナの影響を受けたリベンジ消費の効果がまだ続いているようです。商品別でみると、日本旅行、クルーズ旅行、東南アジア旅行の順に人気だったと明かしています。
旅行各社の日本行きの商品を見てみると、例えば4泊5日の東京・関東圏のツアーで2万9000〜5万元、FIT向けのホテル付きの航空券は、東京エリアで1万5000元から価格帯で売られていました。台湾からほど近い沖縄旅行であれば2万元未満のツアー商品もありましたが、その他地域のツアーの価格帯は2万9000元からです。コロナ明けの需要増で、コロナ前よりまだ高い水準を推移しています。
ITFによると、複数の大手旅行会社で4日間の累計売上が1億元を突破したとのことで、アフターコロナの需要回復を実感したとの声が出ていました。
現地ツアー・アクティビティの予約サイト「Klook」によると、旅行先の問い合わせは国地域別で日本が首位であり、問い合わせにきた4人中3人が日本関連商品を聞いてきたとのこと。内訳ではテーマパークのチケットやJRパスなどが多かったほかに、北海道のスキーや白川郷のライトアップなどシーズンアクティビティが取り分け多く、春節など冬〜春に向け、多くの台湾人が日本旅行を計画している状況がうかがえます。
ほかにもKlookによると、JRパスは10月値上がりしましたが、円安も貢献し、自サイト上で販売量は減っていないとのこと。一方、一回きりの新幹線のチケット販売量は3割増えているそうです。
ホテル食事券、パンフは「どれだけお得か」が一目瞭然
ホテル業界を見てみると、寒舎集団(マイハンブルハウスグループ)や老爺酒店集団(ホテルロイヤル)、晶華国際酒店集団(フォルモサインターナショナルホテルズ)など業界大手でも初日から、100万元以上の大口の買い物が多発しました。台湾では春節前後に従業員をねぎらう尾牙(忘年会)や春酒(新年会)などで高級ホテルを利用する企業が多く、法人需要も要因の一つです。
台湾では食べ放題レストランいわゆる「吃到飽(ツーダオバオ)」が好きな人が多い印象です。記念日や年末年始にカップルや家族、友人同士で高級ホテルのビュッフェレストランを利用する人も多いです。ホテルの食事券のパンフレットでは「セールスポイントが何か」「どれだけお得か」という情報が目立つように配置し、利用規約をはっきりと書いているのが特徴で、一方料理の良し悪しはGoogleレビューやSNS、ブログなどから判断するというのが一般的です。
業者の集客策、抽選・ゲーム・試食、インパクト重視
展示会では各業者による消費者を呼び込む仕掛けが散見されます。例えば航空大手の長栄航空(エバーエア)はとても目立つジェットエンジンのオブジェを設置。実は裏側は巨大ルーレットになっており、航空券の割り引きコードや旅行グッズなどを進呈し、航空券の購入意欲を高めるきっかけ作りをしていました。
LCCの航空会社、台湾虎航(タイガーエア)のブースも可愛いデザインで、インスタグラムの公式アカウントをフォローすると参加できるクイズゲームでは往復航空券が当たるキャンペーンを実施。長い行列ができていました。
ホテルの寒舎集団では、アプリの会員登録で宿泊券やアメニティが当たるガチャガチャマシンのほか、ホテルレストランの料理が試食できたり、消費額8888元以上で宿泊券などが当たるルーレットなども設置していました。
寝心地をアピールした天成飯店(コスモスホテル)はマットレスを展示販売していたり、温泉リゾートホテルの蘊泉荘は実際に温泉をディスプレイし、足湯ならぬ手湯体験を実施していました。
Klookや旅行大手の東南旅遊(SET)など多くのブースでは、景品が当たる客寄せイベントを実施していました。まるでタイムセールのように、司会の話術でその場を盛り上げ購入意欲を掻き立て、さらには景品を目当てに集まったお客で非常に混み合っていました。
以上、今年のITFの一部をお届けしました。来年2024年のITFは11月1〜4日に同じ南港展覧館での開催を予定しています。「ウェブ広告で台湾での知名度を向上させ、来年のITF出展に向けて種を撒きたい」「台湾向けインバウンド事業を強化したい」とお考えでしたら、少額からでもご相談承ります。ぜひカケハシにご一報ください。何かお手伝いできることがあるかもしれません。