この記事は約12分で読めます。
目次
・本テーマの記事を見ることで身につく知識
- 台湾人は何を見て日本旅行のプランを決めているのか理解できる
- 台湾で影響を受けている情報元が理解できる
- 台湾で人気のインバウンド市場のトレンドが理解できる
1.台湾人にとっての海外旅行とその伸び率
急速に進むデジタル化とウェブの普及につれて、ユーザーによるインターネットでの検索動向と消費行動パターンがどんどん複雑になってきています。インバウンド事業者にとってインターネット上での旅行に関するトレンドを把握したり、ユーザーのニーズを先行して予想することはマーケティングの成功を左右する大きなポイントになります。
台湾観光局の調査によりますと、この六年間で毎年海外へ旅行する総人数の成長率は+7.58%となっており、台湾のGDP成長率の+3.47より2倍も高い数値が出ております。島国ということもあるのか「海外旅行を楽しむ事は」は台湾人にとって生活の一部となっています。台湾人の海外旅行の出国先のランキングでは、日本は5百万人近くまで成長し、今では台湾人が最も訪れたい国ナンバーワンとなっております。
2.出発前に得た旅行情報源で役に立ったもの(国別・複数回答)
海外旅行は台湾人にとってポピュラーなレジャー活動になっていますが、殆どの人が海外旅行プランを建てる時は非常に慎重に考えています。ネットの普及と伴い、旅行に関する情報は以前より簡単に入手できるようになりました。ひと昔は友人や親戚のおすすめや経験談から情報集取していたが、最近はすっかりSNSに投稿されたブログ記事と写真に惹かれるようになりました。これらの口コミはユーザーのレビューにより、旅情報を探している人の間で拡散され、旅のプランを建てる時の決め手や重要な参考情報になっています。
データによると約3割の台湾人は出発する前に「ウェブサイトとSNS」から旅行情報をリサーチ、5.3%のユーザーは「Webメディア」の紹介記事を参考するようです。
3.ウェブサイトやSNSから旅行情報を参考にしている割合(台湾人・年齢別)
年齢別で見ると20代の台湾人では47.2%の人が旅行前に「ウェブサイトとSNS」「Webメディア」を参考しながら旅行プランを建てる習慣があり、30代の台湾人となると49.4%という高い確率でウェブ媒体が旅行の意思決定に大きく起因しているようです。
4.台湾人の旅行関連の情報収集源別調査(オンライン限定・複数回答)
さらに細かく分析します。ウェブサイトから情報収集しているユーザーの中では69.1%はGoogleやYahooなどの検索エンジンを入口としています。20.1%のユーザーがSNSのfacebookやInstagramを入口として情報を探すようです。このデータからわかることは、「検索エンジンを入口としている台湾人に対して接触させるための手法」、例えば検索エンジン最適化(SEO)やリスティング広告、SEOに強いとされているブログ記事などの重要性を示しています。
5.商材のキーワード選びと施策開始のタイミングの重要性
このように台湾人に対するインバウンド集客を考えた際にウェブマーケティングを活用することは必要不可欠です。
もちろん商材のターゲットとなる年齢層次第では従来通りの旅行代理店などを経由した販売も効果的ですが、時が経つにつれてその影響力の変化は明白になってきました。
そしてインバウンド集客を成功させるためには「商材のキーワード選び」も重要です。その市場の人気キーワードや検索動向を事前にしっかり調査して、台湾の市場全体を把握した上でマーケティング戦略を練るべきです。
2019年の例で言うと、台湾Googleでよく検索されていた旅行に関するキーワードのトップ5は「温泉」「家族旅行」「旬の植物」「水や海のアクティビティ」「スキー」でした。それぞれのキーワードのシーズンとオフシーズンで広告予算を組み、広告を打ち出す費用とタイミングをしっかり事前検討しましょう。
〔温泉〕
検索される時期:10月〜翌年の2月末ごろ
キーワード:地域+温泉、施設名、一泊二食、露天風呂 など
〔家族旅行〕
検索される時期:台湾の主要な連休。春節(冬休み)、4月の春休みの連休、78月の夏休みの前に12月、3月と6月の検索数が増え始めます。
キーワード:レストラン、観光スポット、宿泊、FIT など
〔旬の植物〕
植物の種類:さくら、紅葉、藤の花、紫陽花、ラベンダー、コキア、ネモフィラ など
検索のタイミング:各植物が咲く2ヶ月前
〔水や海のアクティビティ〕
検索のタイミング:3月から徐々に増え、10月頃まで
キーワード:ダイビング、シュノーケリング、沖縄、カヤック、スタンドアップパドル・サーフィン など
〔スキー〕
検索のタイミング:7月から徐々に増え、翌年の2、3月頃まで
地域:北海道、新潟、富良野、長野、軽井沢、白馬
ウェブ広告は台湾人が旅のプランを建てる頃(旅行の2-4ヶ月前)から出稿するのがおすすめです。キーワードの検索数と出国人数の相関性を見ると旅行日の2ヶ月目がピークとなる場合が多いです。そのピーク時に最大効果を出すためには、3-4ヶ月前から「見られる準備」をしておく必要があるでしょう。
効果測定も兼ねて先手を打ち、台湾消費者の反応を測定しながら効果的にPR手法を検討することで、最適なコストパフォーマンスで集客運用が可能になります。
今後のインバウンドを紐解いていく
Comments
Pingback: インバウンド2021:旅行に関する意思決定の情報元データを分析してみる
Pingback: インバウンド2021:旅行に関する意思決定の情報元データを分析してみる