台湾テレビ業界の今と、テレビ番組タイアップによるマーケティングの可能性

台湾の広告プロモーション 台湾市場に関して

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台湾テレビ業界の今と、テレビ番組タイアップによるマーケティングの可能性

はじめに:なぜ今、台湾のテレビタイアップが注目されるのか?

近年、NETFLIXなど動画配信サービス(OTT)の台頭により、台湾のメディア環境も大きく変化を遂げています。その中でも「テレビ番組の影響力」は依然として根強く、特にバラエティ番組を活用した商材PRは、信頼性・話題性・購買導線を同時に押さえる有効な手段として注目されています。

テレビタイアップは従来からのPR手法ですが、台湾のテレビは、番組だけにとどまらずSNSや、動画配信サービス、ニュースメディア、リアルイベントなどを網羅し、多方面に一気にマーケティングする手法として特化しています。

台湾テレビ業界の基礎知識

◾ 地上波テレビの現状

台湾の地上波テレビ(無線テレビ)は、台視、中視、華視、民視、公視の5局を中心に構成されています。これらのテレビ局は23チャンネル程度の無線放送を提供しており、依然として広範な視聴層を持っています。

◾ ケーブルテレビの普及と発展

1990年代から普及した通称「第四台」と呼ばれるケーブルテレビは、現在100以上のチャンネルを擁し、ニュース、教育、映画、海外番組など多様なコンテンツを提供しています。24時間体制での放送が基本であり、再放送も一般的です。そのチャンネルの多さから視聴率は1%前後というのが標準です。

また、チャンネルが多いこともあり、放送時間が2時間(テレビCMこみ)という番組も少なくありません。

◾ 動画配信サービスとの競争構図

2025年5月時点でのデータによると、台湾全国の総戸数は約980万。うちケーブルテレビの契約世帯数は約435万戸(45%)、中華電信MOD(IPTV)は約204万戸(17%)、動画配信サービスユーザーは約580万人に上っています。特に若年層を中心に動画配信サービスへのシフトが進んでいますが、テレビの役割は「信頼性」と「家庭内での視聴」において依然有力です。

※好看娯楽(HOWKAN)調べ

台湾テレビのマーケティング的な特性 SNSや中華圏諸国への展開

ファミリー層やシルバー層などに広くリーチできるのが台湾のテレビの特性ですが、若者に人気な芸能人やインフルエンサーを起用して若者へのリーチにも注力しています。また、番組のSNS展開が活発で、Facebook・Instagramなどプラットフォームでは、ファンによる拡散や交流もみられ、エンゲージメントも強化しています。

特にバラエティ番組はテレビ放送後に、YouTubeにも展開される傾向があり、長期的な露出となる構造ができています。YouTubeに展開されると、一般視聴者による拡散も期待できます。一方でドラマやリアリティー番組は人気が出ると、NETFLIXなど動画配信サービスに展開される傾向があります。

ほかにも、日本と違って、台湾のテレビ番組は香港・シンガポール・マレーシアなど他中華圏への波及する場合があり、他国市場への間接的PRにつながることも特徴です。

台湾テレビでの広告、番組タイアップがトレンド

台湾のテレビにおける広告手法は様々で、テレビCMや番組への協賛もありますが、定番なのが商材を“番組内容に自然に溶け込む形”で登場させる「プロダクトプレイスメント(置入性行銷)」です。特にバラエティ番組の守備範囲は広く、食品や日用品、商業施設とのタイアップはもちろん、地方自治体との提携事例なども散見されます。

食品とのタイアップは頻繁に行われる

番組企画と連動した露出ができ、違和感のない自然なPRが実現できるほか、人気MCや出演者による口頭での商材紹介をかけ合わせ、商材への信頼感・親近感を醸成することができ、商材のブランディングにつながります。例えば、「タレント同士による料理バトル」という企画には食品ブランドを露出させたり、「タレントによるドライブ旅行」企画になれば自動車保険と連動させたりなど、ポテンシャルは大きいです。

また、予算次第では、クライアントの商材を起点とした専用の番組企画の立案も可能です。例えば、海外ロケを実施して、キャストが実際に日本現地に出向き、商材を体験する様子を台湾消費者に発信することができます。テレビ番組は可能な限りタイアップの規模をどんどん大きくしていけることが特徴でもあります。

台湾のテレビ番組はほとんどがSNS公式アカウントを有しており、商材の公式アカウントと連携した情報発信ができることや、番組の企画をプレスリリースとして編集し、ニュースメディアに報道露出することも特徴と言えるでしょう。例えば「タレントの◯◯さんが日本の△△体験で仰天『台湾には絶対なかった!』」という筋書きでニュースリリースも可能で、読者のクリックを誘うことができ、テレビだけにとどまらない、クロスメディアマーケティングが実現できます。

番組放送後もSNSを活用して、商材のプレゼントキャンペーンを実施して、消費者による口コミを醸成させたりと、連鎖的なマーケティング戦略も柔軟に実施できることが強みでもあります。

カケハシが、窓口となってトータルサポート

弊社カケハシでは、台湾最大手のバラエティ番組制作会社「好看娯楽(HOWKAN)」と提携し、日本クライアントの商材をテレビ番組でPRした実績があります。

HOWKANは、台湾を代表する国民的バラエティ番組「綜藝玩很大(Mr. Player)」や、タレントがレストランを経営するリアリティーショー「嗨!營業中(Hi Come in)」、芸能人タレント同士がスポーツで競う「全明星運動會(All Star Sports Day)」など人気番組を多く手掛けています。

綜藝玩很大(Mr. Player)は、2014年放送開始以降、テレビ番組のアワード「金鐘獎(Golden Bell Awards)」の受賞歴を持ち、マレーシアやシンガポールなど中華圏でも広く放送されています。MCは台湾の大御所タレント 吳宗憲(Jacky Wu、日本でいう明石家さんまに相当)、ベテランのマルチタレント 林柏昇(KID)、若者に人気のアイドルグループ「Energy」の謝坤達 などが担当し、まさに世代横断的な人気番組です。

ロケの朝食で、台湾ブランドの豆乳商品を露出しているシーン

日本ロケで現地飲食店を取材

弊社では、クライアント様と制作会社とのやり取りを円滑に進めるため、以下の業務をサポートしています:

  • 商材の魅力やPRポイント、NG要素やレギュレーションなどをヒアリング
  • 番組側への的確な伝達と進行スケジュール管理および翻訳・調整対応
  • 放送後の視聴率、推定リーチ数などのレポーティング
  • 番組とSNSを連動させたキャンペーン施策
  • プレスリリースへの展開 など

テレビマーケティングはどんな商材に向いている?

  • 台湾市場でのブランド認知を短期間で一気に拡大したい商品
  • 家族向けの商品、日用品、食品など生活密着型の商材や、旅行に関連した観光商材
  • まとまったPR予算を確保できており、テレビ×SNS×報道を連携した多層展開を叶えたい商材

すでに台湾市場に進出している商材だと、番組企画に取り入れやすくなりますが、日本現地の観光施設など観光振興を目的とする場合、商材PRのための専用の回の企画も可能です。専用企画は、制作チームの旅費などコスト面かかりハードルが上がりますが、ホテルや航空会社の協賛を得られる場合、提携費用の交渉が可能で、コストを大幅にカットできたりと、柔軟に対応もできます。

お問い合わせは、台湾現地10年以上のカケハシへ

台湾でのテレビ番組タイアップを活用したPR施策にご関心のある企業様は、ぜひ一度ご相談ください。商材特性に合った最適な露出方法をご提案いたします。

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