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週末の2日間は盛り上がりがピークに

2024年の台湾美食展が8月2〜5日に台北世界貿易センターで開催されました。台湾の食品業、農業、飲食業、地方自治体などがブースを構えたほか、今年も日本パビリオンが設けられました。展覧会来場者数は4日間で延べ10万4,575人と、前年から5.23%増加しました。台湾の食産業の盛り上がりが伺えます。

 

台北世界貿易センターの上階にオフィスを構えるCAKEHASHIが、今年の台湾美食展の様子をレポートいたします。

●頼総統も開幕出席 外食業が大売り出し

初日は現職の頼清徳総統が開幕式に出席しました。「観光立国」を推進し、食を始めとする観光産業に力を入れて、世界での存在感を高めていくと意気込みを語りました。

グルメ天国と自負する台湾にとって、食は世界に誇るコンテンツとして国際社会に発信を続けています

今年は延べ計600小間のスペースを使用しての開催となりました。

面積規模としては貿易センタービルの約半分を占めました

大手ホテルや外食業が並ぶエリアでは、団体向けの宴会料理を提供する「海霸王」がディスプレイし、定価4,500元の団体向けプランを2,500元で限定販売していました。中山にあるホテル「晶華酒店(リージェント台北)」や大直にある「台北美福大飯店(グランドメイフル台北)」も出展し、館内ビュッフェレストランの食事券を販売。


市民が美食展に来る目的の一つが食事券です。外食業はイベントに合わせお得なキャンペーンを打ち出します

「美食の都」として知られる台南市も豪華なブースを構え、虱目魚(サバヒー)を使った料理の調理実演を行っていました。

サバヒーはミルクフィッシュとも呼ばれ、中南部で多く養殖されています。古くから台湾人に馴染み深い食材です

●実食エリアが大盛り上がり ミシュランビブグルマンも出展

美食展で一番盛り上がるのが、料理を購入してその場で食べることのできる「台灣好食館」エリアです。

 
台湾の小吃(日常的に食される一品料理)が立ち並び大盛りあがり

台湾全土から30店が出店しており、中でもミシュランガイドのビブグルマンに選ばれた「台南鮮蒸蝦仁肉圓(台南風海老のバーワン)」や「翡翠生煎包(野菜入り焼き小籠包)」などが好評でした。日本にも店舗を構える「山海豆花(トウファ)」も出展。ドラゴンフルーツのジャムを使ったトウファが美味しそうです。

 
その場で調理し提供するので、臨調感もあり思わず沢山食べたくなっちゃいます

●今年も日本美食館 香川県も単独出展

イベント初日には頼総統も日本美食館を視察しました。日本との関係性を重視する姿勢が伺えます

お隣には、日本企業や団体が共同出展する日本パビリオン「日本美食館」の姿がありました。内訳はエスビー食品、くらこん、オタフクソース×赤鐵(広島県)、IRIS OHYAMA、石垣市、三旺加旺 TJ Collection(高知県)、キッズキッチン、静鉄ストアとなっています。

エスビー食品はゴールデンカレーの試食イベントを実施。IRIS OHYAMAは和菓子屋「歳時亭」とコラボし、IRIS OHYAMA自社製品の切り餅を使ったみたらし餅どら焼きなどを披露。オタフクソース×赤鐵は昨年に続いて出展。広島お好み焼きをその場で焼き上げて提供します。辺りに広がるソースの香りにつられて多くのお客さんが集まっていました。

日本好きな台湾人も多いことから日本美食館も人気エリアです

今年初出展となった石垣牛は今年8月から台湾へ石垣牛を定期的に出荷することが決定しており、それに先駆けて会場で試食イベントを実施していました。

沖縄に旅行へ行く際にステーキや焼き肉を好んで食す台湾人も多く、石垣牛の台湾における知名度は高いです

ほかにも香川県も単独ブースを出展しました。観光情報を伝える大きなバックパネルを用意し、うどんなど食文化の発信のほか、「うどん」に因んでコラボをしているポケモンの「ヤドン」のスナック菓子が当たる抽選イベントなどを実施していました。

県としての参加で台湾からの観光客誘致に注力しています

美食展ではほかにもステージ上での調理実演やパフォーマンスなどの賑やかしイベントも盛り沢山。

チャーハンなど中華料理、デザートなどの調理実演もありました

美食展は毎年夏ごろの開催で、2025年は8月1〜4日に同じ会場(台北世界貿易センター)での開催を予定しています。

一部写真は台湾観光協会より掲載