初めまして!今年の3月からカケハシでインターン中の林です!:)
この度は、3/22-25で開催されていた、台北国際春季旅展ISTF 2019(International Spring Travel Fair)に行って参りました!今回の記事では、その展覧会で得た情報、気づいたことを発信したいと思います~~!

目次

・台北国際春季旅展とは?
・台湾の斬新かつ独特な客寄せ方法
・(国内編)離島ブーム
・(日本編)都市部よりも地方へ
・温泉ブーム
・まとめ

2019台北国際春季旅展(ISTF)とは?

毎年定期的に開かれている旅行展覧会ですが、今年度の春季旅行展は、台北の世界貿易センターにて3/22-25に開催されました。今回の展覧会には、国内外の旅行会社・代理店に加え、ホテル、温泉宿、レストラン、クルーズ船舶会社、旅行用品店、お土産店等も出店しており、以下のようにブースが作られていました。

展示会と言えば、企業が企業に対して行うBtoBのイベントであるというイメージがあったので、今回の展示会に参加し、自分の想像していたものとの雰囲気の違いに驚かされました。ISTFは個人消費者に余暇サービスの販売を図ることが主目的であるため、堅苦しい雰囲気は全くありませんでした。むしろ各社とも、少しでも多く人を集め、より多く販売するための工夫を凝らしていたため、とても入り込みやすく、面白かったです!
会場は下の写真のように賑わっており、複数のメディアが取材に来ていたようです。

お客さんに旅行プランの紹介・説明をする様子

約1000ものブースが作られていたこともあり、様々な展示がありましたが、それらを見ていてふと気づいたことがあります。それは、国内旅行では”離島”に行くことが、日本への旅行では”都市部よりも地方へ行くこと”が人気となっており、さらには”温泉”のブームが来ているのではないか、ということです。これらの状況の詳細については追って記述しますが、まずは台湾の斬新な客寄せ方法についてお伝えしたいと思います。

台湾の斬新かつ独特な客寄せ方法

〇紅包
この写真をご覧下さい!

紅包配布の様子

ステージに立っている旅行会社のスタッフが配布する紅包を受け取ろうと、人だかりができています。私も一体何がもらえるんだろうと好奇心がわいてしまい、客の輪に加わって手を伸ばし、受け取りました。その中身はこちらです。

花蓮でのホエールウォッチング割引券

多くの旅行会社が出展しており、かつほぼ全てのプランが大幅に値引きされている中、この割引件の値引き率は特別なものではありません。それでも客が集まり、そのブースが人気を博していたのは、ひとえに紅包を使う宣伝方法のおかげでしょう。紅包にお金を入れて渡し合う文化を持つ人々にとっては、紅包は、”何やら良いお宝が入っているという印象を与える物”であるに違いありません。「クーポン券配布中!」と言いながら、または無言で宣伝冊子を配るよりも、遙かに効率的な客寄せ方法だと思いました。

〇入ってきたお客さんを逃さない仕組み

離島のプラン、特に澎湖へのプランが多いと感じた私は、その中でもどういったプランが人気なのか調べるため、各ブースの担当者に、おすすめの場所や費用、その会社のプランが持つ特徴を聞いて回りました。その際に、日本にはない”潜在的な顧客を逃さない仕組み”に驚くことになりました。

その1:セット攻撃

とある旅行会社のブースで、ひとしきり澎湖へのプランの概要を聞き終わった後、他の会社のプランも見てから考える、と言って、席を立とうとしたところ、少し待つように制止されました。ブース担当者は、小走りで駆けていった後、2枚のパンフレットを持って来て、こう言いました。「澎湖への二泊三日のプラン(4490元)を今日中に契約すれば、宜蘭への一泊二日の旅(2980元)をプレゼントするし、澎湖でのオプションプラン(700元)もプレゼントする。」

その2:仮契約攻撃

あまりのお得な契約に唖然とする私に対し、さらにこう畳み掛けてきました。「今本契約しなくても、たったの200元で仮契約をすることができる。日程は後々決められるので、キャンセルする必要があるとは思わないが、もしキャンセルすることが必要になったとしても、たったの200元で済む。今契約することで生まれるリスクは、得られるメリットより圧倒的に少ない!どう??仮契約してから行って!!」
とサインするよう、求めてきました。

あいにくお財布を持って行っていなかったので、払いませんでしたが、詐欺や誇張なのではないかと心配になるほど、大変お得な条件だと思います。元々は取材のための聞き取り調査にすぎず、実際に旅行に行くつもりはありませんでしたが、観光スポットの写真を見せられ、プランのお勧め理由を聞かされ、さらにお得な条件をつけてもらっているうちに、旅行に行きたいという気持ちがむくむくと湧き上がってきてしまいました笑。

その3:事後攻撃

最終的にサインしなかった私に対し、次にはラインを交換するよう求めてきました。交換した後、さっそく当日中に、契約したくなったらいつでも連絡してくれ、と名刺が送られてきました。その後も、契約の期限や、残り枠が何人かの連絡が、個人ラインを通じ定期的になされます。残り枠の人数や期限を示すことによって、早く契約しなければならないと焦らせることができるので、旅行を悩み中の人に対してはとても効果的な後押し方法だと感じました。
それに加え、潜在的な顧客をまとめたライングループに招待されました。そこでは、今お得なプランの情報や、観光地の写真、契約期限や残り枠の情報が定期的に送られてきます。あまり興味を持っていなかった観光地に対しても、お得な情報が送られてくると「え、この場所にこの値段で行けるのか!?それなら行ってみたいなあ。」と興味を持ち始めてしまいました。完全に旅行会社の意のままです。笑

このように、台湾旅行展では、潜在的な顧客を逃さない仕組みはとても充実しており、記載した以外にも、驚くことが沢山ありました。

親切に説明してくれたブースの女性

勿論、全てのブースが、お客さんを引き留めるためのこういった仕組みを持っている訳ではないと思います。しかし、整理できないほどたくさんのパンフレットが配られ、同じ目的地、同様の内容・同様の価格帯のツアーが混在している旅行展においては、いかに自社に客を引きつけるかが重要となってきます。日本人にとっては斬新にも映るこういった宣伝も、他社との差別化を図り、効果的に契約を取りつけるには必要になってくる工夫なのでしょう。

過去の記事にはなりますが、台湾旅行展でブースを成功させるために必要なブース設計、プロモーション方法について書いたものがあるので、旅行展への出店に興味を持たれている、または出店を検討されている企業様、担当者様は是非ご覧下さい。(台湾ITF2017年 旅行展示会ブースを成功させる為に大事な3つのポイント)

(国内編)離島ブーム

上でも既に少し記載しましたが、台湾国内では離島に行くことがブームになっているのではないか、と感じました。大手の旅行会社が離島へのプランを持っているのは当然ながら、2,3しかプランを持たない小規模の旅行会社も、澎湖や緑島、小琉球へのプランを持っていることは少し驚きでした。
確かに台湾は日本と比べ国土が小さく、台湾の北から南まで車で簡単に行くことができます。さらに、台湾の主要都市は、高鐵(日本でいう新幹線)で結ばれており、これを使えば、かなり短時間で各地を移動することができます。(台北から台南までたったの一時間半強)
そのような国において、主要な所から離れ、飛行機やフェリーを使うなど頑張らないと行けない場所が旅行先として人気になるのは、よく分かる気がします。東京に住む人を例に出せば、折角旅行に行くならば、鎌倉や川越など比較的すぐに行ける場所ではなく、関東外に出たいというような感覚ではないでしょうか。

(日本編)都市部よりも地方へ

展示やもらったパンフレットを見て、気づいたことがあります。それは、日本への旅行において、東京・大阪・京都などのザ・日本という場所ではなく、東北、北陸、九州、北海道といった、比較的マイナーな場所が重点的に宣伝されているということです。
確かに、日本に旅行に行くと言っていた私の台湾人の友人達も、東北、中部、四国など、日本人の私でさえあまり行ったことのない場所に行っていました。何故そういった場所に行きたいのだろうか、と最初は思いましたが、今まで日本のどこに行ったことがあるかを彼らに聞いた時に、理由が分かった気がしました。というのも、日本を既に数回(人によっては何度も)訪れたことのある台湾人がとても多いのです。

台湾は歴史的要因により、親日な人が多いと言われています。実際に台湾では、日本の漫画・アニメ・日本食等の日本のポップカルチャーが溢れており、日本文化が人気を得ていると感じることは多いです。そんな彼らにとって、地理的に近く、食・文化・歴史的にも親しみが深い日本は、身近な旅行先であるに違いありません。
さらに、台湾の人々は、日本人とは異なり、一回の旅行で、旅行先に長期間滞在することが多いようです。私の台湾人の友達の大部分も、日本の主要なスポットは以前長期滞在した際に既に行ってしまったと言っていました。そんな彼らにとっては、主要ではない、少し変わった新しいスポットに進出したくなるのも当然かもしれません。

このパンフレット以外でも、北海道、東北、九州、北陸等へのプランが多く見受けられました。

温泉ブーム

台北国際春季旅展には様々なブースができていましたが、その中で一際目を引いたのが、温泉のブースでした。日本人の感覚で言えば、温泉に入りたくて温泉地に旅行に行く時でさえ、”観光した後、温泉宿で疲れを癒やす”、というように、観光がメインで温泉がサブであることが多いと思います。また、温泉街に住んでいる人以外は、温泉だけ入るというのは稀で、数泊して観光も温泉も楽しむ、というのが一般的だと思います。
しかし、今回の展覧会でもらったパンフレットはこのようになっています。

観光地から近い等の情報はなく、温泉だけをアピールしており、また90分、2時間だけのコースも全面に押し出されています。普段湯船に浸かる文化のない台湾人にとっては、観光ではなく温泉に入ることを小旅行の目的にするくらい、温泉は特別なものなのかもしれません。

またこのパンフレットもご覧下さい。日本への旅行の7つのプラン中、5つのプランが温泉に関する物、若しくは温泉を全面に押し出した物となっています。台湾人にとって温泉が絶大な人気を得ているのであろうことが、パンフレットの強調具合から見て取れます。

まとめ

今回展示会に行ってみて驚いたことはたくさんありますが、その中でも、日本と台湾での顧客獲得方法の違いと、日本人と台湾人での、旅行で行きたい場所・やりたいことの違いに驚きました。
自分の国の観光客を、観光地や宿泊施設に呼び込むことさえ大変です。しかし、インバウンドとして海外の人々を呼び込む際にはさらに、彼らが何を旅行に求めていて、彼らに売り込むにはどういった工夫が必要であるのか等を把握し、それに対応するプランを練っていくことが必要になると思います。今回の展示会見学を通じ、外国人を国内に呼び込むことは、”インバウンド集客”というように一言でまとめられる語ではありながら、その手法を練ることはかなり難しいに違いないと感じました。今後も各展覧会への参加や、カケハシでの業務を通じ、インバウンド集客のための手法や、マーケティング方法への知識を深めていけたら、と思います。