日本でのワーキングホリデーはなぜ台湾人に人気なのか?徹底解明!
突然ですが、去年日本を訪れた台湾人の来訪目的の中で、
最も伸び率が高かった目的は何か、皆さんはご存知ですか?
え、観光じゃないの?と思われる方が大多数かと思います。
実際、2015年には368万人(2014年比28%の増)もの台湾人が、
日本を観光目的で訪れていて、毎年過去最高を更新しています。
しかし伸び率でみてみると、2015年に40%もの伸びを記録した来訪目的があるのです。
そろそろ答えに移りましょう、正解はワーキングホリデーでした。
今回は、台湾の人々が一体どのような理由で日本で就業体験をすることを選ぶのか、
昨今の日台におけるワーホリの取り決め等についても触れながら紹介したいと思います。
ワーキングホリデーとは・昨今の人数制限変更など
ワーキング・ホリデー制度とは,
二つの国・地域間の取り決め等に基づき,各々の国・地域が,相手国・地域の青少年に対して自国・地域の文化や一般的な生活様式を理解する機会を提供するため,自国・地域において一定期間の休暇を過ごす活動とその間の滞在費を補うための就労を相互に認める制度です。(参考:日本ワーキングホリデー協会)
日台間がワーキングホリデー(以下ワーホリ)の取り決めを結んだのは2009年で、
当初は双方からそれぞれ2000人分のワーホリビザを発給していましたが、
2014年の改定で上限人数が5000人に引き上げられました。
2015年には上限を上回る人数の台湾人の募集があり、
抽選になるほどの人気だったそうです。
なるほど、上限が増えたからこそ、40%もの伸びが見られたんですね!
なぜ日本でワーホリなのか?!
調査によると、台湾人の60%以上が日本語を学習した事があり、
学校のみならず自主的に学習している人も多く見られます。
また、外国人の日本語レベルの指標として知られる「日本語能力試験」の、
もっとも高いレベルである「N1」の受験者数・合格数も、
人口に対する人数で見ると、台湾が堂々の世界1位(2位は韓国、3位は香港)
というところからも、高いレベルの日本語を用いて仕事がしたい、という人が多いのも頷けます。
言語以外の面でも日本で働きたい理由は人ぞれぞれあるようで、
給与水準、生活環境、日本文化への親しみなど、十人十色です。
実際にどのようなことをしているのか!?
それでは、台湾人はワーホリで実際にどんなことをしているのでしょうか?
実際に日本でワーホリを経験したことがあるという台湾人の友人に聞いてみました!
Q1. どこでインターンをしたの?
群馬県のスキーリゾートにあるホテルで働きました。
主にフロント業務、ベル業務を主に担当しました。
Q2. 日本語はどれくらいのレベル?
その時はN2(日本語能力試験)くらいです。
Q3. 中国語が必要とされる場面は多かった?
夏場は少なかったのですが、冬になってスキー客が増えると、
中国語で応対する機会も増え始めました。
Q4. どんな事が大変だった?
日本人スタッフと同じレベルで日本語を使う事ができなくてはならなかったことです。
台湾人と日本人は見た目がだいたい同じなので、
日本語が通じると思ってお客さんが話しかけてくる事が多くあって、とても戸惑いました。
お客さんの依頼が分からなくてホテルに迷惑をかけてしまっては大変ですからね。
日本語での電話応対などは特に緊張しました。
まとめ:日台ワーホリの今後…
インタビューのように、日本でワーホリをする台湾人の多くは、
中国語、日本語のバイリンガルであることを活かした仕事、
特にホテルや飲食などのインバウンドに関わる仕事をするケースが多いようです。
中華圏からの訪日ブームは今後も続くことが予想されるため、
日本語が達者な台湾人スタッフの存在は、訪日インバウンド業界において不可欠なものとなりそうです。
また観光業界のみならず、日本企業の中にも、
台湾進出を進めているメーカー、IT系、小売企業も増加していることから、
台湾人の中にはそうした会社での営業職、事務職で仕事をしてみたいという声もあります。
現状では、日本での受け入れの数は多くはないようですが、
将来的にそうした分野での仕事の枠も増えていく可能性もあるといえるでしょう。
以上、台湾生活も残りわずかになってしまって「QQ(台湾の絵文字で泣き顔の意味)」な、
執筆者:はらたく